こんにちは。大賀信幸です。すべては観察から始まる。
不動産投資 担保
結論として、担保があるから金融が成り立つのが現実でしょう。担保がなければ金融が成り立たない。
不動産投資のひとつである住宅ローンを考えてみます。借り入れをするのに取得しようとする住宅を担保に金を借りる。この担保があるから比較的安価にお金を借りることが出来る。
金融の場合の安価とは金利のことを指します。そして、担保があるから比較的長期に返済できる。返済期間のことです。住宅ローンでは35年返済が一般的になってきました。
中にはフラット35というて35年間金利変動なしの住宅ローンもあります。
で、どうなるの
ここまでが教科書的なお話です。ここからが現実的なお話です。
友人の弁護士の先生から電話ありました。
弁護士 大賀さんお久しぶりです。
僕 ご無沙汰しております。
弁護士 自分のクライアントが破産する。
弁護士 このクライアントの今住んでいる家を任意売却する。
弁護士 大賀さん購入してください。
弁護士 そして大賀さんが購入した後、
弁護士 この家を破産するクライアントに貸してほしい。
僕 了解しました。お伺いします。
この会話の中に担保のあれこれの意味がすべて入っているように思います。
- なぜ、任意売却なのか
- なぜ、僕なのか
- なぜ、破産する人の家を僕が購入するのか
- なぜ、僕が購入した家を元の持ち主である破産した人に貸すのか
- なぜ、破産した人が僕に連絡してこないのか
ここから派生して、現実にでは任意売却したとして、
6.その売却価格は誰が決めるのか
7.その売却された不動産の賃貸条件は誰が決めるのか
で、どうしたの
ひとつづつ検証してみます。
1.なぜ、任意売却なのか
住宅ローンの場合、個人が金融機関からお金を借ります。借りたお金の担保として購入した住宅を提供します。具体的には自宅不動産に抵当権の設定をします。登記簿謄本に抵当権者の名前、日付、金額などが記載されます。この場合の抵当権者は金を貸した金融機関です。住宅ローンになります。日付は決済された日となります。
金額は借りた金額です。住宅ローンの場合は全額借りることも多いです。または諸費用も住宅ローンの中に入る場合もあります。当然住宅価格より多くの金額が記載されます。
借りた金返せなくなると、普通は競売になります。競売とはこの家取り上げられて裁判所経由で、一般に売りに出されます。で、入札により落札者が決まります。
で、まったく知らない人が落札者しこの家の所有者になります。よく人手に渡るというヤツです。こうなったらこの家出ていかなくてはなりません。もう他人の家ですからね。
本当に見ていて辛いです。嫁子も年老いた両親もいる場合もあります。子どもも小さい。社会の仕組みやルールですけれども、良い感じはしません。
で、任意売却です。競売になると全然知らない第三者のものになります。任意売却では第三者には違いないですけれども、全然知らない訳ではない。薄い関係でつながっている人です。
今回の事例では弁護士の先生と僕の関係になります。
で、僕の不動産になりました。
2.なぜ、僕なのか
弁護士の先生が頼み易いからです。弁護士の先生が頼んで、任意売却でこの家を購入してなおかつ僕が使わないであろう。なおかつ、僕が破産した弁護士のクライアントに賃貸するであろうと想像できたからです。
3.なぜ、破産する人の家を僕が購入するのか
弁護士の先生に頼まれたからです。頼まれただけでは普通は行動しません。僕が購入して、破産した人が社会的信用を回復した後、僕から買い戻すと約束してくれたからです。なおかつ破産した人が社会的信用を回復するまで、僕に家賃を支払う約束をしてくれたからです。
4.なぜ、僕が購入した家を元の持ち主である破産した人に貸すのか
他に引越しすると引越し費用も必要です。家を出ていく訳ですから廻りの人になんとなく破産したことばれます。実際は裁判所で調べれば分かることですが、そこまでする人は少ないです。
僕がそのまま破産した人に賃貸すると、これらの問題は回避出来ます。破産したことは外部からは誰にも分りません。
5.なぜ、破産した人が僕に連絡してこないのか
金融機関が担保としてこの家に抵当権設定しています。家は破産する人の物ですがこの状況では何の権限もありません。または、身近に任意売却で購入して賃貸してくれる人がいなかったからかもしれません。または、任意売却という方策を知らなかったかもしれません。
6.その売却価格は誰が決めるのか
これは、担保として抵当権を設定した抵当権者です。つまり金を貸した金融機関と交渉により決めます。普通は抵当権者が決めるのですが、今回は金融機関も上には上がいてですね、この債権を売買してました。つまり金を返してもらえる権利を売却していたのです。この債権を購入した会社がありました。債権回収会社です。債権回収会社との交渉になり価格を決めました。
7.その売却された不動産の賃貸条件は誰が決めるのか
これは僕が決めます。破産者が支払える範囲で尚且破産者が社会的な信用を得る事が出来るように家賃を決めます。
で、どうするの
担保というても割と奥が深いでしょう。現実問題としてこんな感じです。
教科書的には担保は人的担保と物的担保があります。書いて字のごとくなんですが、人的担保は保証人ですね。物的担保は不動産などになります。
まとめ
担保があるから個人の信用以上の金融が出来ます。担保は決して悪いことではありません。かというてすべて良いとも思いません。第三者の保証人になって破産したって話よく聞きますからね。
任意売却ですが、自分が任意売却する側と購入する側になることを絶えず想像しておくのが善手だと思います。万が一のときも対応できます。