こんにちは。大賀信幸です。すべては観察から始まる。
不動産投資 節税 嘘
結論として、節税を目的に不動産投資するのは何だかなぁと思います。なぜなら不動産を所有するだけでは負債になるからです。
金持ち父さん貧乏父さんの著作の中には自宅まで負債扱いになっています。これも極論かもしれません。要は収益を産まないものは負債であると言う考え方です。
不動産の場合は収益どころか、取得するにも、所有するだけでも、手放すときにも多くの経費がかかります。
不動産を取得するまでに掛かる経費
- 仲介手数料
- 登録免許税
- 不動産取得税
- 司法書士登記費用
不動産を所有して掛かる費用
- 固定資産税
- 都市計画税
- 管理費用
- 火災保険料
- 地震保険料
不動産を手放すときに掛かる費用
- 仲介手数料
- 広告費
で、どうなるの
不動産に掛かる経費だけでも莫大です。これに対して不動産は節税効果があるのか否か。
僕は費用対効果としては節税だけに関しては殆ど、いやまったく節税効果は認められないと考えて良いのではないかと思います。
なぜなら節税の多くは、減価償却費と実勢価格と評価額の差異です。それぞれ説明します。
減価償却費
よく、不動産は減価償却資産やからなぁ。節税効果あるなんてこと言う人います。しかし土地建物を不動産と表現するなら、土地は減価償却資産ではないですし。つまり土地代に関しては償却資産にならない。よって節税にはならないと結論できます。
では、建物はどうなのか。一覧にしてみます。
- 木造建築物 22年
- 鉄骨造建築物 34年
- 鉄筋コンクリート造建築物 47年
耐用年数から計算して減価償却費が出ます。耐用年数とは例えば木造では22年とされています。22年経年すると、木造建築物としての価値はなくなると言う考え方です。
価値がなくなるのですから毎年、減価償却費として計上出来る。この部分が経費になると言う考え方です。つまり節税には当然なりますが、それと同じぐらい建物の価値がなくなります。
果たしてこれを節税と表現して良いものなのか。木造で22年後も現在も同じ建物価値なら良いですが22年も経年すると当然価値は下がります。
実勢価格と評価額との差異
例えば現金で1億円持っているとします。この1億円を子に相続するとします。当然、1億円に対しての相続税計算になります。ゆえに、1億円に対しての相続税が必要です。当たり前です。
実勢価格1億円の小さなビルを所有しているとします。この実勢価格1億円のビルですけれども、相続税評価額は1億円以下になります。例えば8割の8000万円になると仮定します。
相続税はこの評価額8000万円に対して掛かってきます。
ゆえに1億円の現金を相続するより不動産に形を変えた方が節税になるなんて言う人達います。はたしてこれほんとうでしょうか。相続ではなく贈与でも同じ考え方が通用します。
実勢価格と評価額の乖離や差異を利用した節税まがいです。実際には上記しましたように不動産は取得するにも経費が必要です。所有し続けるにも経費が必要です。将来売却するにも経費が必要です。
余程計画的に不動産を所有しないと経費倒れになります。また、現金を不動産に形をかえて相続や贈与した後どうするかの問題になります。
単純に相続や贈与をされた人に投資や事業の才覚があるか否かによって相当その後の損益がかわってくるように思います。なぜなら不動産投資は事業ですからいろいろな面で判断が求められます。
例えば店子が退去した後どうするのか。誰に次の店子を仲介してもらうのか。現状復旧工事はどうするのか。家賃はどれぐらいが適正なのか。店子が家賃を不払いした場合はどうしたら良いのか。
売却するタイミングはいつなのか。そうこうしている内に、次の相続の時期がきます。
で、どうしたの
節税を目的に不動産投資をするのは僕賛成しません。不動産投資をするなら節税などを目的にせず、事業として不動産に投資すべきです。投資した金額に対しての収入や売却益を最優先すべきです。
で、どうするの
不動産投資と節税とは完全に切り離して考えるべきです。不動産投資を目的として不動産投資をした結果的に節税になることはありえます。しかし節税を目的に不動産投資をすると経費ばかりがかかり節税どころではなくなります。
まとめ
節税か否か。論点を書き出します。
手元現金を不動産に形をかえる
手元現金を不動産に形をかえて実勢価格と不動産評価額との差異を利用する節税は、経費がかかりすぎます。取得するときに経費、所有し続けると維持費、手放すとまた経費がかかります。
償却資産として節税を考える
なるほど、耐用年数分だけ節税できます。しかしこれを節税と表現しても良いのでしょうか。なぜなら、不動産の価値が下がった分税金で補う考えが減価償却費ですからね。
節税を目的に不動産投資をしない。不動産投資をするなら不動産投資の王道である取得価格と家賃収入と売却益を采配し、採算が合う不動産に投資をすること。ここに金融などを含めることも可能です。結果的に節税になることはありえます。