こんにちは。大賀信幸です。すべては観察から始まる。
不動産投資 リスク マンション
マンションであるからリスクがある訳ではありません。マンション以外の不動産とマンションとの差異を書き出してみます。
マンションの1室を想定して、マンションと表記していますが区分所有も含むとします。
- 管理費用
- 修繕積立金
- 意思決定
- 駐車場代
で、どうなるの
個別に書き出してみます。
1.管理費用
意外に管理費用って掛かります。エレベーターの点検費用や共益部分の清掃などです。共益部分の電灯代も必要です。受水槽から水が供給されていますので、受水槽などの点検清掃、電気代なんかもかかります。
昨今でしたら、セキュリティーに対して警備会社などの警備費用も必要です。管理人が常駐しているマンションでは、管理人の人件費も必要です。これらは皆マンションの区分所有者の割り勘主義です。
2.修繕積立金
10年に1度と言われる大規模修繕工事の積立金です。具体的には外壁や屋上防水などの修繕に使われます。単純に外壁の修繕をするだけであるのに、足場などの間接工事費用がばかになりません。これらを毎月積み立てるのが修繕積立金です。
3.意思決定
マンションの管理組合の意思決定は、管理組合役員の過半数で決まります。建て替えなど重要な決まりごとは管理組合だけではなく、総会での決議になります。ここでいろいろ意見が分かれます。
地震が起きた。建て替えるしか方策がない。で、どうするのか。今から区分所有で費用を分担して建て替えるという意見の人もいるでしょう。建て替えを放棄したい人もいるでしょう。区分所有ですから、自分の意志だけではどうすることもできません。
4.駐車場代
普通に区分所有のマンションを維持するだけでも管理費用など維持費用が必要です。これらを補填する為に駐車場代金を管理費用などに充当している管理組合も存在します。
一昔前のように自動車がステータスであった時代もはるか昔になりました。今では共有で自動車を使うとかシェア自動車の時代です。
最初から駐車場費用を管理費用に充当する制度設計である区分所有のマンションでは維持管理が非常に辛くなっています。
現実にはマンションの住人以外の人の車の駐車場に賃貸している事例もあります。場所によればコインパーキングにしている区分所有のマンション駐車場もあります。
で、どうしたの
上記区分所有のマンション特有の経費を書き出してみました。この中で、創意工夫で経費節減できそうなとをあれこれと記載します。
1.管理費用
一般的には区分所有のマンションの所有者でつくる管理組合があります。町内会のような感じです。この管理組合だけで管理が出来れば理想ですが、現実的には、管理人を雇用したり外部の業者さんにエレベーターの点検を外注したりする必要があります。で、どうしてもプロの管理会社に入ってもらうことになります。
僕が観察するところ、このプロの管理会社ってだいたい大手ゼネコン系とか、大手デベロッパー系とかエネルギー系と言われる電力やガス会社系の管理会社が幅を効かせています。
例えば、ゼネコン系を例にとりますと、
マンションを建築するのもゼネコン、マンションを販売するのもゼネコン系の販売会社、マンションの管理をするのもゼネコン系の管理会社、億円を超える大規模修繕工事もゼネコン系の修繕会社になっています。
一度得た客には一生涯、金を吸い上げる仕組みが出来ています。この仕組があるお陰で、大手ゼネコンはずーっと安泰です。
これらを回避するには、これらの系列ではない独立系の管理会社に仕事を発注することです。しかしこの決め事は、管理組合の決議事項なのです。思うように進みません。なぜなら、未だに大手ゼネコンが素晴らしいと思っている消費者や区分所有者が過半を占めるからです。
2.修繕積立金
上記したゼネコン系列の大規模修繕工事会社に発注される可能性が非常に多いです。これらを回避するには独立系の修繕会社や普通の建築会社に仕事を依頼すれば済む話なのですが、これらの発注先を変更するにも管理組合の意思決定事項になります。過半数が集まらないのがリスクです。なぜなら未だに大手ゼネコン系の修繕会社が良いと信じている区分所有が過半を占めるからです。
3.意思決定
修繕積立金の扱いだけでも大変であるのに、建て替えなどを含む重要な意思決定では当然それぞれの思いに差異がありますから、ますます思ったようにはなりません。こればかりはどうしようもない。
4.駐車場代
区分所有のマンションはすべて割り勘主義なので駐車場を使う人が少なくなりますとその負担が全体に影響してきます。駐車場代を管理費用に充当する管理組合なら将来管理費用が少なくなるように管理費全体を考え直すことでしょう。
で、どうするの
不動産投資で区分所有のマンションのリスクを書き出してみました。上記で改善の余地を探して改善するのが善手でしょう。または、区分所有のマンションには不動産投資として選択しないのも手段のひとつのように思います。
まとめ
区分所有のマンションの利点も多くあります。例えば駅直結とか。都心に多いとか。資産価値が下落しにくいとか。その反面、リクスもあるように思います。
どちらを選択するかは不動産投資家のセンスのように僕は思います。好みかもしれません。