不動産投資物件の構造【鉄骨造はどう。鉄ってなんだか丈夫そう。実際はどうなの。しかし火には弱いのです。アスベストの原因にもなりました】

どうされましたか

不動産投資でマンション1棟購入しようと思うが、鉄骨造ってどう。

こんにちは。大賀信幸です。すべては観察から始まる。

不動産投資物件で鉄骨造について解説します。

不動産投資物件 鉄骨造

鉄は国家なりと言われた時代がありました。日本では戦後から日本が行動成長期を迎えるあたりですか。年代では1940年から1990年代でしょうか。鉄は国家なり19世紀にドイツのビスマルクの演説に由来するらしい。大砲や鉄道に必要な鉄は国力と表現したのでしょうね。東海道新幹線をはじめ多くの鉄道。造船。まさに鉄そのモノですね。

僕若い頃造船所で船造っていたので鉄は国家なりの鉄がリアルに響いたのです。頑丈で整然としている感じがしました。造船所の年季の入った職人がガスバーナーと水道水で熱と水の冷たさで芸術のように堅い鉄を曲げている技を日常的に見とれていました。この鉄で建築物を造るのですから丈夫で長持ちすると誰もが思います。しかしですね。意外や意外。火に弱いのです。火災にでも合うとアメみたいにクニャクニャと曲がってしまいます。鉄が丈夫なのは常温時だけです。

鉄で建築物を造ることを想定すると構造的にはラーメン構造と言いまして柱と梁で囲まれる形の構造になります。木造建築が壁構造に対して鉄骨造はほぼこのラーメン構造になります。特徴は柱間の距離を割と長めに取れます。またはトラス構造とか言うのもあります。三角形を繋げたような構造体です。構造力学で最初に習うヤツです。

具体的には火災に弱いですから。意外や木造よりも弱いのです。耐火被覆といいまして鉄の廻りに火災時に耐火するための被覆をつけます。巻きつけるイメージでしょうか。よくホームセンターなどの自走式の立体駐車場の鉄骨造の構造体の柱や梁に被膜してあるのを目にします。見た目は美しくないのが残念です。一昔前に問題になったアスベストは耐火性能があり安価であったためにこの耐火被覆によく用いられていたのです。鉄の柱や梁は工場で造られ、現場に運び込まれます。

鳶職が現場でボルト圧着して構造体を造っていきます。鉄骨造の場合は現場で組み立て出したら立ち上がるのが早いので現場工事は見ごたえがあります。大きなプラモデルをリアルタイムで組み立てている感じです。小規模のビルなら1日で構造体は立ち上がってしまいます。

外壁は鉄の柱に壁を取り付けるパネル構造のような感じになります。屋根もしかり。内装は柱間が長く取れますので非耐力壁などを使って自由に仕切ることが出来ます。共同住宅などでは隣の部屋との騒音の問題も気になりますので境界の壁にはコンクリートブロックなどが使われることが多いです。防音のためです。

増改築は構造体さえ触らなければ相当容易です。僕は過去に事務所ビルを購入し用途変更で賃貸住宅に改装したことあります。こんな場合は床を取りはらったり鉄骨の階段を付け替えたり割と大変でした。構造体を触るような改装工事や用途変更は建築確認申請が必要です。

上下水の配管や昨今の電気、電話、インターネット回線、光ケーブル、テレビアンテナなどの配線は割と簡単に出来ます。構造上屋上の防水には気を使います。陸屋根とかいてろくやねと読みます。屋上が平面なんです。ゆえにシート防水などを採用しなくては防水にならないからです。シートを使うということはこのシートが将来損傷する可能性も想定しなくてはなりません。昨今では性能の良い防水が開発されてきました。一昔前はアスファルトを熱で溶かして屋根に塗布してましたから。この熱で溶かしたアスファルトがまた危険でした。身体につくと大やけどします。

で、どうなるの

鉄骨造は工期も早く割と自由な設計が出来る。鉄は丈夫に見えるが火災に弱い。ゆえに耐火被覆の必要性ありです。共同住宅など人が住む場合は騒音に注意が必要です。ここを再確認してください。減価償却や耐用年数は鉄の厚みによってかわりますが、34年です。しかしサビさえなければ大丈夫です。銀行融資を受ける場合はこの34年という数字が融資期間を決める場合があります。これらは各金融期間によります。

で、どうしたの

鉄骨造が採用されるのが多いのは倉庫などでしょうか。ショッピングモールなどもありますね。先の駐車場の例も鉄骨造が多い印象があります。理由は鉄筋コンクリート造よりも安価で工期が短いからと観察できます。現実にもその通りです。僕の場合、不動産投資物件は物流系が多いので当然倉庫なども鉄骨造のお世話になっています。設計段階から工期や予算の算定がしやすい印象があります。

一昔前、テント倉庫という建築形態がありました。大きな鉄骨造の倉庫なんですが屋根と外壁がテントなんです。そして柱の下に車輪が付いていてました。

これ建築物違うと主張していたのです

このテント倉庫の利点は建築物違うと主張しているので建築確認申請必要ありません。建築物違うと主張しているので固定資産税掛かりません。しかし誰が見ても倉庫なんです。こんな理屈通るはずもなく、条例や法改正でテント倉庫は現在では建築物となりました。当然建築物ですから建築確認申請と固定資産税、都市計画税は必要です。

で、どうするの

鉄骨造の中古建築物を購入しようとする場合、耐火被覆にアスベストが含まれているか否かを必ず確認してください。含まれていると何かと問題が多い物件になります。新耐震基準である1981年より新しい建築物を購入してください。屋上防水など防水工事の部分を入念にチャックしてください。火災保険には必ず加入してください。というのは台風や大雨で防水が切れて雨漏りした場合保険対応が可能な場合が多いのです。この場合は壁天井床など雨の被害の全部が保険でまかなわれる可能性があります。共同住宅の場合は防音なども再確認してくださいね。

まとめ

鉄骨造はコストパフォマンスも良いですし、増改築にも非常に良い。しかし火に弱いので耐火被覆などに注意することです。特に耐火被覆にアスベストが使われていないか。

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