不動産投資【失敗例として何を言うても資金ショートでしょう】

こんにちは。大賀信幸です。すべては観察から始まる。

不動産投資 失敗例

勘定合って銭足らず。この状態にならないように計画せねばなりません。

勘定合って銭足らずの意味ですが、別名黒字倒産とも表現します。黒字で倒産ってあり得るのかなぁとの声も聞こえそうです。それがあり得るのですよね。ここ、黒字やから安全ではなく、手元にお金があるから安全なのです。

で、どうなるの

話を具体的にしてみます。

  • 不動産価格 1000万円
  • 借入金額  1000万円
  • 金利    2%
  • 返済期間  10年
  • 家賃収入  7万円
  • 経費    1万円 ひと月あたり

これぐらいの計画で試算してみます。

よくある区分所有の賃貸マンションをイメージするのも良し。築古の戸建て賃貸をイメージするのも良し。だいたいこんな感じになります。

この場合の不動産価格ですが、リフォーム費用入れての不動産価格と解釈しても良いでしょう。探せばあるものですよ。僕は大阪市内に築古の一戸建てを2019年に見つけました。敷地面積20坪でした。築年数40年。新耐震基準には合致していました。

ネットで探しててスーモで800万円で見つけました。なぜ、この物件だけ800万円なのか。どう考えてもおかしいと思いました。安すぎるのです。

事故物件でもないし。今まで事務所と住居として使ってたとのこと。現地見に行きました。理由が分かりました。敷地から建物が道路側にはみ出ていました。こんなことあるのですね。

建築した大工さんのミスなのでしょう。よく今まで無事に存在してたと思います。この時代は検査済証と言うて建築物が建築確認申請通りに建築されているかの検査をせずしても建築できた時代でした。

だめで元々で買付入れるときに指値しました。800万円の販売価格に対して700万円で指値。指値通りました。安全に配慮して耐震補強をしてリフォーム費用を300万円ぐらいかけました。リフォーム費用合計1000万円。

リフォーム時に道路側にはみ出た部分をはみ出てなくしました。

で、どうしたの

試算してみます。

買値がいくらでも月当たりに7万円の家賃収入があります。12ヶ月掛けると1年間では84万円の収入になります。

これに経費はどれぐらいかかるかと言うと、金利の2%です。1000万円に対して2%ですから20万円です。これ以外の経費としては火災保険や管理費用と、固定資産税や都市計画税などで上記月当たり1万円として計上しています。つまり年間概算で12万円となります。

収支計算しますと、収入は84万円。支出は金利20万円+経費12万円となり合計34万円。

家賃収入84万円から経費34万円を引き算すると50万円の利益になります。

ゆえに、他に経費がなければ、この50万円に法人税や所得税が掛かります。ここまでの計算では黒字になります。税引き前利益が50万円ですからね。

ここからが少しややこしい処で、1000万円を10年返済すると返済元金は毎年1000万円➗10年=100万円となります。

え、でしょう。毎年50万円もの利益があるのに返済元金が100万円もある。と言うことは、税引き前利益50万円−100万円=マイナス50万円となります。

つまり、税引き前利益50万円と思い気を許していたら、毎年手元資金がマイナス50万円になっていた。尚且まだ追い打ちを掛けるように、手元資金がマイナス50万円であるのにもかかわらず、税引き前50万円の利益に対して所得税や法人税が課税される。

まだ、これ50万円ぐらいであれば何とかお金をやりくりして間に合わせることが出来るでしょう。

で、計算上は利益に成っているのに、手元のお金が足りない状態になります。これが一番怖いです。錯覚するのですよね。

この手元資金がマイナスにならないようにするにはどうするのか。返済期間を伸ばすか。借入金を少なくするのです。

仮に返済期間を長くしたとします。返済期間を上記10年から倍の20年にしてみます。返済元金は毎年1000万円➗20年=50万円となります。

ゆえに、毎年の税引き前利益50万円−返済元金50万円=ゼロ円。これでギリギリになりますね。せっかく不動産投資をしているのに利益は計算上出ているけれども、手元資金はゼロ円。ここから税引き前利益50万円に対しての税金を支払わなければなりません。実質にはキャッスアウトします。銭足らずです。

返済期間20年も取って手元資金が足りなくなると言うことはこの不動産投資そのものが計画ミスと判断しても良いかもしれません。

で、どうするの

ここから再考しますね。借入金を1000万円から500万円を手元資金から入れると仮定します。つまり借入金を500万円とします。

まとめ

返済期間を20年として再度計算します。返済元金は毎年500万円➗20年=25万円。先程は1000万円に対しての金利2%で計算しました。今回は500万円に対しての金利2%です。ゆえに、500✕2%=10万円となります。毎年の税引き前利益60万円−25万円=35万円のプラスになります。

ここらへんが、この価格帯の採算分岐点になるような感じですね。

この借入金額、返済期間、物件価格、家賃収入の塩梅を考えるのが不動産投資の醍醐味です。