こんにちは。大賀信幸です。すべては観察から始まる。
不動産投資 返済期間
感覚的に返済期間って事業計画そのもののような感じがします。最初に立てた事業計画が不完全であると事業そのものが成り立たなくなります。
また事業そのものが事業計画通りに進むとは限らない。事業計画通りに進まないけれども事業計画通りに進まないことを盛り込んで事業計画を立てなければなりません。
ここが事業の面白い処です。事業計画の中に如何に危険を盛り込むか。最悪の場合でも資金ショートしないように事業をしなくてはなりません。
で、どうなるの
資金ショートと赤字とは別物です。理想は事業すべてが黒字になれば良いように思いがちです。実は違います。理想は事業すべてのキャッシュフローがプラスになるのが最善手です。
キャッシュフロープラスとは、手元現金があることを示します。手元現金があるから黒字とは限りません。また手元現金がないから赤字とも限りません。
この感覚は当事者になってみないと分かりにくいかもしれません。しかし当事者になってキャッシュフローマイナス。つまり資金ショートすると飛んでもないことになります。つまり破産です。
で、どうしたの
ここの処を返済計画含めて少し詳しく記載します。
例えば、
- 物件価格 1億円
- 借入金額 1億円
- 家賃収入 1000万円 年間
- 金利 2%
- 諸経費 200万円
- 返済期間 20年
とします。
- 家賃収入は年間1000万円
- 毎年の返済元金は1億円➗20年=500万円
- 毎年の金利は1億円✕2%=200万円
- 毎年の経費は200万円
ここで収支計算してみますね。
年間家賃収入1000万円−年間経費200万円−金利200万円=600万円となります。他に経費がかからないとするなら、年間600万円の利益になります。この利益に対しての税金が個人なら所得税、法人なら法人税がかかります。黒字です。
キャッシュフローを計算してみいます。
上記利益とは別頭にしてくださいね。ここ肝心です。
年間家賃収入1000万円−年間経費200万円−金利200万円−返済元金500万円=100万円。つまりキャッシュフローは100万円になります。ここから上記で計算した利益600万円に対しての税金を引かねばなりません。
例では返済期間を20年としました。これを15年にして再計算してみます。
返済元金は1億円➗15年=667万円です。
年間家賃収入1000万円−年間経費200万円−金利200万円−返済元金667万円=マイナス67万円。つまりキャッシュフローは、
マイナス67万円になります
このマイナス67万円でありますけれども決算上は上記600万円の利益になります。このマイナス67万円から、
利益600万円に対する所得税や法人税を支払わなければなりません
この感覚を事業する前に持っておく必要があります。ここ相当大切です。いきなりお金足りなくなっても調達できません。
返済期間15年であっても利益額は600万円です。ここ勘違いしそうでしょう。で、キャッシュフローはマイナス67万円となります。ここからまだ、所得税や法人税を引き算します。つまり税金払う前でもキャッシュフローはマイナスで、税金を支払えばますますマイナスになります。
これらのお金をどこからか用意できれば良いですが、用意できなければ資金ショートを起こして破産しなくてはなりません。
運転資金としての借り入れも想定できますが、おそらくこの決算書では金融機関は融資してくれないでしょう。なぜなら、来年も再来年もキャッシュフローがマイナスになるからです。好転しないからです。
事業計画や投資行動する前に事業計画書を作成します。その多くは借入金に対しての返済期間が重要な要素を締めます。
上記の例では返済期間が僅か5年違うだけで手元キャッシュが生まれるか。枯渇するかの分岐点になります。不思議なことに手元キャッシュが枯渇しても黒字であることです。
で、どうするの
事業計画段階で黒字赤字の収支計算をするのは当然のことですが、手元資金がどれぐらいあるのかを再確認してください。収支計算で黒字になっても決して安心しないことです。手元資金があってはじめて事業として成り立つのですから。
まとめ
返済期間が計画の概要を決めると言うても過言ではないように思います。何が何でもキャッシュフロープラスになるように事業計画をしてください。
キャッシュフロープラスに事業を計画しても事業計画通りにはならないのが事業です。安全側に傾けば良いですが、危険側に傾くこともあり得ます。
万が一、事業が危険側に傾いたとして赤字になったとしてもキャッシュフロープラスであれば破産は免れます。必ずキャッシュフロープラスになるように事業計画をすること。
そんなこと言われても難しいと答えが返ってきそうです。一番手っ取り早いのが返済期間を長めに取ることです。
金融機関が許す限り、返済期間を長くするのが最善手だと僕は思います。
その代わり返済期間が長いと金利総額は多くなりますが。この多くなった分の金利は、安心料とでも解釈すれば納得できるでしょう。