こんにちは。大賀信幸です。すべては観察から始まる。
不動産投資 空室
不動産投資をしていて悩ましいのが空室です。いかに空室にしないか。ステージングという言葉があります。不動産投資の空室対策に応用している例があります。
街の家具屋とIKEAの違い
1995年の阪神大震災で国道43号線沿いにあったACTUSという家具屋さんの建物が崩壊しました。ACTUSは現在関西では大阪空港に大きな店舗があります。国道43号線は大阪と神戸を結んでいます。あの高速道路が折れた処です。
ACTUSにはじめて行ったのは僕が20歳ぐらいのときです。感激しました。それまでの家具屋さんのイメージをはるかに超えていました。
今では当たり前ですが、家具屋さんの中にカフェがあったり。会食出来るところがあったり。家具屋さんやのに家具以外の商品が充実している。
例えば、リビングルームのテーブルの上には今にも料理が出てきそうな食器が配置されていたり。テーブルクロスがセンスよく選ばれていたり。
友人の自宅を訪問したような感じなんです。リビングルームに置かれるであろうソファーには、クッションが並べられていたり。ラグが色合いもよく選ばれていたり。
リビングルームのテーブルには、読みかけの本を開いていたり。誰がみてもこんなリビングルームで生活したいなぁと思わせる演出がありました。
ベッドには当たり前にベッドカバーがしてありました。枕と布団とおそろいのベッドカバーでした。床下にはそれらに合う室内履きのスリッパも用意されていました。
こんなベッドルームが良いなぁと思いました。クローゼットには収納家具。トイレにはテーマを持ったトイレ用具。掃除道具とか。
特筆すべきは、これらの食器やテーブルクロスにナイフ・フォークに包丁や料理器具が家具と同列に販売されていたことです。
家具を選びにきたのに、食器買ってしまったなんてこと多々ありました。家具は高価ですぐには購入できないけれども、センスの良いテーブルクロスなら今購入出来るとか。
で、どうなるの
時代は過ぎ2008年にIKEAが大阪に出店されました。
IKEAを知る人は当たり前ですが、当然のように家具と生活用品が展示販売されています。
特にIKEAの1階には生活用品に特化した商品が置かれています。食器とか料理用具とか。照明器具とか。カーペットやカーテン。僕は複数のIKEAに行きましたが、この配置は同じように感じました。1階が生活用品で2階が家具。3階以上が駐車場。で、1階に大きな倉庫があります。
あれ、どこかで見たことある光景。あれれって感じでした。そうです、僕が20歳代のときに見た阪神大震災で倒壊した国道43号線沿いのACTUSと同じように感じました。
僕調べました。な、なんと実はIKEAは1972年に日本上陸していたらしいです。そして、1986年に一旦日本を撤退したとあります。そして、その頃IKEAで仕事をされていた人がACTUSを設立したと調べることができました。
ACTUSもIKEAも共通していることは一つです。それは店舗の商品に生活提案をしていることです。いかにもこの家具を使って生活するイメージを顧客に与えているのです。
で、どうしたの
このIKEAの商品の提示の仕方は別にIKEAの専売特許ではありません。似たような事例は調べればあるとは思います。一昔前の百貨店の家具売り場なんてこんな感じがしました。
しかし一昔前の百貨店の家具売り場では家具とテーブルコーディネートまではしていましたが、販売しているのは家具コーナーでは家具だけでした。他のお店も似たようなものでした。
今では、この生活提案目線でIKEAやニトリに行くと、どのお店も商品の販売以上に生活提案型の販売をしているのに気がつきます。これは家具だけではなく、家電商品を販売しているお店も同じように感じます。
この生活提案を空室対策に利用します。昨今言葉ではステージングとか言われているものです。如何にもそこに店子が住んだらどのような生活になるかを想像させるような仮置の家具や生活用品で部屋をプレゼンテーションするのです。
家具を置くだけではなく、例えば壁紙を現状復帰させるために張り替えるときにも使えます。壁紙は白色が基本ですが、部屋ごとにテーマを決めて張り替えてみるとか。各部屋の照明器具を演出してみるとか。
僕はこの方法で賃貸ではなかったのですが、転売しようと思ってた住宅系の不動産を販売したことがあります。白色クロスでフローリングの床材。どこにでもある間取り。価格帯も他と比べられても特色がない。地域はバス圏。
売れなくて困っていたのですが、生活提案型の演出ですぐに販売できました。それも僕が想像する価格以上で販売できました。ACTUSやIKEAを意識してて良かったです。
で、どうするの
まずは、そこに住むであろう生活者としての目線でテーブルとテーブルクロスだけでも置いてみるのはどうかなぁ。床にラグとクッションだけでも相当生活することを想像させるような演出になると思います。
まとめ
建築の設計の言葉にも生活提案があります。設計をするのは当たり前なのですが、そこにどのような生活をするかを設計者が提案する。
この生活提案を空室対策に応用するのはどうでしょう。是非お試しあれ。