不動産投資【地震リスクってどんなのかなぁ】

こんにちは。大賀信幸です。すべては観察から始まる。

不動産投資 リスク 地震

1995年の阪神淡路大震災を経験しました。明け方までパソコンを前に何やらしていました。1月17日午前5時ぐらいであったかと思います。

僕は大阪市内で鉄筋コンクリート造のマンションの5階にいました。下から突き上げるような衝撃を感じました。すぐにテレビをつけました。確かNHKのニュースのキャスターが寝癖頭で刻一刻と状況が分かり次第放映していました。

7時ぐらいになりますと、どうやら神戸の長田地区は全滅。僕も良く通りました阪神高速神戸線3号線は倒壊している。映像も映し出されていました。

7時を廻った処で状況も分からず、先ずはその頃事務所にしていた大阪市の湾岸地域である大阪南港にある僕の事務所に向かいました。マンションの5階からのエレベーターも異常なしでした。その後エレベーターは使えなくなりました。

普通に車で動けました。僕事務所に到着しました。朝からベニア板とかコンクリートパネルが必要であるとの電話が鳴り止みませんでした。僕考えられる商社などに手配を頼みましたが、現物はあるが、保管してある大阪南港の倉庫には取りにいけない状態とのこと。理由を聞くと、南港までの道路が破綻されていて倉庫までたどり着けないらしいのです。トラックでは無理とのこと。肝心の倉庫では荷物を運ぶフォークリフトも地面の不陸で使えないとの報告がありました。

あくまでも電話での報告でした。自分の目で確かめようと思いました。友人の4t車トラックで友人の運転で僕が助手席に乗り南港の倉庫に行きました。ぎりぎり4t車が通れる状況でした。倉庫に着きました。倉庫の床面がおおきく歪んでいました。フォークリフトではなるほどベニア板を運べない感じでした。

リフトの運転手もお手上げ状態でした。ま、これは仕方がないです。もし無理して商品を傷つけるとフォークリフトの運転手の責任問題にもなりますし。で、僕フォークリフトの運転免許を高校生のときに取得しています。久しぶりにその倉庫のフォークリフトを借りて、運転してみました。うまくベニア板を出すことに成功しました。4t車満車にして帰ってきました。僕に依頼した人たちに取りにきてもらいました。喜んでもらえました。しばらくこの段取りで往復しました。

で、どうなるの

仲間に声を掛けて救援物資を持って被災地に行きました。それは悲惨な状況でした。ネットは今ほど皆が使っていない状況でした。地図を頼りに小学校を訪ねました。救援物資を置いて帰ってくるのが精一杯でした。

この頃僕は不動産投資を既に始めていました。不動産投資の目線で被災地を見ていました。あの悲惨な状況の地震の被災地を目にすると、もう絶対不動産投資は危険であると判断すると思います。

もし所有物件が被災して倒壊したらどうしたものか。まして借りたお金で不動産を購入していたら破産しなくてはなりません。誰もが同じことを思うと感じました。

で、どうしたの

地震から少し落ち着いて、被災地の被害状況の集計などが行われていました。国会での答弁が中継されていました。結果が出ました。新耐震基準に合致する建築物の倒壊割合は3%台であったことが分かりました。

見た目は街全体が崩壊しているような地域もありました。しかしこれを新耐震基準という物差しを当てて統計すると僅か3%台の崩壊で済んでいたのです。日本の建築基準法は相当レベルが高いと僕は思いました。

この3%台をどう考えるかはそれぞれの投資家の判断でしょうが。僕はこれなら地震が来ても安心であろうと結論しました。

この地震の後、2011年3月11日がきました。東日本大震災です。まさか距離は大阪から離れているし、僕に被害もないし。他人事と思っていました。しかし他人事ではありませんでした。全国の原子力発電所は止まるし、日本全体が暗い雰囲気になりました。この頃僕は保険に興味があって保険の仕事も僕の仕事として扱っていました。保険の仕事も今続けています。

すると保険会社から東日本大震災の被災状況をジャッジするアジャスターの数が足りない。なるほどです。場所によっては街全部が津波で流されているのですからね。アジャスターとは建物などの損傷の状況を公平な目線で判断する仕事をする人のことです。日本語では保険鑑定人と呼びます。

僕の会社に声が掛かりました。急つくりの保険鑑定人が出来上がりです。とても僕の会社の人員だけでは足りません。僕の知っている限りの建築系の友人知人に声を掛けました。皆で被災地に保険鑑定人として鑑定する仕事に就きました。

この経験でも建築基準法で、新耐震基準に合致している建築物は殆ど倒壊していないことを自分の目で確かめることが出来ました。

で、どうするの

先ずは、投資しようとする不動産を選ぶ段階で、新耐震基準に合致しているか否かを確認する。これ必須です。確認の仕方はその建築物の建築確認申請書の日付を見ることです。1981年6月1日以降であれば新耐震基準に合致しています。

合致していなければ、建築設計事務所にでも連絡して、耐震補強の見積もりを取りこの見積り金額も含めて不動産の購入金額と仮定して、採算が合うかどうかを確かめることです。

そして火災保険は必須です。

まとめ

地震、雷、火事、親父とかことわざあります。この中で保険で補償されるのは、地震、雷、火事です。親父の怖さ以外ではすべてが保険の対象になります。

ここから思案です。僕火災保険は必須です。地震保険はどうするのか。これはそれぞれの不動産投資家のセンスや判断によると思います。僕は火災保険には加入しています。地震保険は加入していません。新耐震基準であれば良しと考えています。なおかつ、崖地などの危険な地域を選択しない判断をしています。

地震保険はその場所やその他の状況によります。なぜなら地震保険は全壊してもその半分補償されるだけですから。