不動産投資【出口戦略と戦術ってどういう意味】

こんにちは。大賀信幸です。すべては観察から始まる。

不動産投資 出口戦略

戦略と戦術の違いって何だか難しそうです。戦略は全体構想だと考えています。戦術はその全体構想を行う為の具体的な方策です。

出口に対して反対語は入口です。不動産投資で入口とは、不動産を得ることだと考えます。ここ得ることと表現しましたが、必ずしも所有することではありません。

売買

一般的に不動産投資の出口戦略というと購入した投資不動産を売却することを想定して、不動産投資全体の物語を描くことです。

賃貸借

例えば、土地を借りる場合も入口に値すると考えます。この場合の出口は借りた土地を返す場合ですね。返す場合を想像せずに借りると大変なことになります。

で、どうなるの

事例を記載します。

売買

例えば、まったくの店子が付いていないビルが売られていたとします。このビルを購入します。

店子はゼロですから当然家賃収入はゼロです。ここからが物語のはじまりです。全体のリフォームとか経年劣化の改修費用などにある程度の金額を投じたとします。

この間に、全体の完成イメージを明確にする必要があります。例えば、昨今でしたら事務所の需要が相当減る傾向があるので、用途変更をして事務所から住居にするとか。

ここから仲介不動産屋さんにも協力してもらって店子を付けることに専念します。半年ぐらいの期間で店子が付いたとします。

例えば店子からの家賃収入の合計が月額100万円になったとすると、年間では1200万円になります。

これを逆算し10%廻る投資用不動産と仮定すると、この不動産の価値は1億2000万円になります。

もし仕入れがリフォーム代金を含めても、1億円ぐらいであれば売却することにより、2000万円の利益になります。

賃貸借

先の不動産を借りるのも不動産を得ることになるお話をしました。これは失敗例ですが記載します。

僕は過去にある会社の雇われ社長になりました。決算書を見直したり、過去のこの会社の外部との契約書を見直したりしていました。

するとですね、他の会社から一時使用賃貸借で契約している土地がありました。僕が代表の会社が借りているのです。

そしてこの土地を別の第三者に転貸していました。もうこの転貸は30年以上続いていました。これはトラブルになるなぁと警戒していました。

借りている土地は一時使用賃貸借ですから僕が代表を務める会社に何の権利もありません。地主に退去を言われると退去せざるを得ません。

この土地を第三者に転貸しているのです。この第三者に面談すると、この土地から退去する気はさらさらないとのこと。ますますトラブルの匂いがします。

転貸している第三者に退去を申し出ました。破産してもこの土地退去しないとの回答。これは本気でトラブルになりました。本気で戦わなければ僕が代表を務める会社が倒産していまいます。

結局、約1年掛かりましたがこの問題は解決しました。しかし、弁護士費用に200万円、この転貸している第三者に解決金として800万円支払いました。合計1000万円。

おそらくこの問題は、30年以上前の代表者が土地の契約を軽んじていた結果だと思うのです。今どきの言葉でいう処の出口戦略のミスというより、出口戦略を考えてもみなかったのでしょう。

いずれにせよ、手元資金があったので解決しましたが、これ手元資金がなければ解決はおろかおそらく僕が代表を務める会社は破産していたと思います。なぜなら、地主から契約違反により損害賠償請求があるからです。

で、どうしたの

売買の場合と賃貸借の場合の戦術を記載します。

売買

先の例でしたら、1億円で購入し店子を付けて1億2000万円で売却するという戦略です。この戦略で売却する不動産投資家もいるでしょう。

ここから各不動産投資家の性格が判断に出るような気がするのです。1億円で購入して1億2000万円で売却。結果的に2000万円の利益が出る。この利益を取りに行くのか。

しかし、この場合でしたら所有しているだけで年間1200万円の家賃収入があります。僕ならせっかくリフォームし、店子を付けたのですから所有し続けるという選択をします。

この場合の戦術は、物件を購入した後のリフォームの方法や店子を付ける為に仲介不動産屋さんに依頼したことになります。

賃貸借

賃貸借契約でトラブルが発生した。どうしようか。弁護士に依頼する。ここから具体的にどうするかを練ることが戦術だと思います。

この事例では、弁護士の先生と話し合い、転貸している第三者との即決和解に持ち込もうということで方針を決めました。裁判すると時間と金が掛かるからです。しかし、この即決和解は相手が合意してくれないと成り立ちません。合意してもらう為に相手と話をしました。800万円の見積がきました。解決金800万円を支払うと判断しました。判断したのは僕です。

なぜなら、裁判になって最高裁まで争われることを想定しました。おそらく最高裁までいくと3年間は覚悟しなくてはなりません。となると3年間の損害賠償金を地主に僕が代表を務める会社が支払わなければなりません。計算すると1億円を超えます。ゆえに800万円プラス弁護士費用200万円合計1000万円で手を打ちました。

で、どうするの

いずれにせよ戦略通りにはならないことをも想定して戦略を考えなければなりません。

上記売買の件でしたら、

最初は売却すると戦略を立てて不動産を購入したのですが、売約をやめて保持するとしました。

上記賃貸借の件でしたら、

そもそも最初からトラブルを想定していなくて、賃貸借契約をしたと思うのです。しかしトラブルになりました。

未来はどうなるか分かりません。しかし行動を起こす前に想像出来るだけ想像してみることだと思います。

まとめ

不動産の出口戦略って難しい言葉です。賃貸借なら契約解除のときにどうするか。売買なら売却するときにどうするか。

未来は見えないから、行動を起こす前に出来る限りの想像をしてみるのが最善手だと思います。