不動産投資【どの段階で損とか益とか分かるのかなぁ。売却するまで分からないのが正解ではないか】

不動産投資って損することあるのかなぁ

不動産投資を難しくしている処はどうやらこの部分かもしれません。損か益かは売却するまで分からないからです。10年後に売却するかもしれませんし。一生売却しないかもしれません。

ではなぜ皆不動産投資とかいうて投資している人がいるのでしょう。これは僕も含めてですが。損か益かは分からないけれども先ずは、不動産を所有してお金が廻ることを想定しているからだと僕は思います。

で、どうなるの

具体的には不動産の価格を1億円として、家賃収入月額50万円とすると、

年間では、600万円の収入になります。

この収入のまま、例えば5年間過ぎたとして、家賃収入合計は3000万円です。で、元の1億円の不動産が7000万円まで値下がりしたとすると。

物件価格では7000万円-1億円=マイナス3000万円。家賃収入と合計してもプラスマイナスゼロになります。諸経費と固定資産税などを計算すると損になります。

で、どうしたの

売却して損が出た場合ですね。これを売却せずにそのままの状態で保有し続けていたら、毎年600万円の家賃収入を得ることができます。僕の場合はこのパターンが多いです。

別の例として、不動産価格1億円家賃収入月額50万円とします。この部分は同じです。

年間では、600万円の収入になります。これも同じ。

しかし、この物件を得る為に1億円の金融をしたとします。

  • 金利2%
  • 返済期間20年。

ざっくり計算しますと、1年当たりの金利は200万円。元金返済分は1億円➗20年=500万円になります。

合計して200万円+500万円=700万円。

で、5年後に1億2000万円で売却出来たとします。

物件価格1億2000万円―1億円=2000万円の益になります。家賃収入5年分3000万円を合計すると5000万円になります。

しかし本当に5000万円の益になるでしょうか。ここが不動産の面白い処でもあり、危険な処でもあります。

まずは、この不動産を購入した初年度の初月はどうなるのでしょう。

家賃収入は50万円

銀行への返済合計は、

700万円➗12ヶ月=約60万円

あれれ、初月から毎月約10万円のマイナスです。この10万円をどこからか用意できれば良いですが、用意出来ない場合は破綻します。黒字倒産というやつです。

もうちょっとシビアなこと記載します。年単位で計算します。

家賃収入の合計600万円−銀行返済額700万円=マイナス100万円。

ここから固定資産税や管理費が必要です。固定資産税管理費合計100万円としますね。

いくらのお金が必要か

家賃収入600万円−返済700万円−固定資産税管理費合計100万円=マイナス200万円になります。

1億円の不動産に対して、減価償却資産5000万円として、20年償却とします。

5000万円➗20年=250万円。

家賃収入600万円−減価償却費250万円−固定資産税100万円−金利200万円=50万円。

え、手元のお金で200万円のマイナスやのに収支計算すれば利益として50万円。

上記2例は極端な例のように思いますが、これが不動産投資の日常です。

利益50万円で利益が出ているから問題ないと思ってたら、手元のお金で毎年200万円もの現金がなくなります。資金ショートします。

で、どうするの

これらを回避する方策は、慎重に月単位と年単位で資金ショートしない計画をするべきです。上記の1億円の物件の例ですと、1億円に対しての年間家賃収入が600万円なら、この物件は全額借り入れするには無理があるとの結論になります。

または、借入期間を伸ばして毎月、毎年の返済額を減らして資金ショートを回避する方策も出てきます。または創意工夫をして年間家賃収入を増えるように考えるべきです。

ここを考えるのが不動産投資の面白い処でもあり、難しくしている処でもあるように思います。

まとめ

不動産投資の収支の計算や損益などの考え方はいろいろあると思います。僕なりの結論は、月単位と年単位のキャッシュフローがプラスになればどのような形態の不動産でも投資対象になるのではないかと思っています。

注意点として、損益計算書で利益になっていてもキャッシュフロー的にはマイナスになる場合があります。この場合は2重苦を強いられます。1重苦目は手元現金が足りなくなることです。2重苦目は、手元現金が足りないのにもかかわらず、利益に対して税金を支払わなければならないことです。

逆に、損益計算書ではマイナスになっているのに、キャッシュフローはプラスの場合もあります。ここが不動産投資独特の状況かもしれません。損益計算書がマイナスになりキャッシュフローがプラスの場合って何と問われそうです。

償却資産が多い場合です。不動産投資の場合償却資産はもうすでに支払い済みであるからです。または返済期間が長い場合です。あまり長すぎるのも未来はますます分かりませんので僕は良しとしません。

これらの場合は手元現金があるのに損益計算書はマイナスなので税金を支払わなくても良い処です。

これらを組み合わせてその塩梅を采配するのが不動産投資の醍醐味です。