こんにちは。大賀信幸です。すべては観察から始まる。
不動産投資 フルローン
不動産投資をするのに、フルローン賛否両論があります。フルローンで資金調達をすべきとか。そもそも投資するのにローン組むなとか。
僕はどちらも正解と思います。では、何を根拠にフルローン組むか否か。それは投資家の好みではないのかなぁ。投資家のリスクに対するものの考え方ではないのかなぁ。または、投資そのものへの取り組み方の具現化がフルローンを組むのか否かではないのかなぁ。
不動産投資をすれば、殆ど利益がでます。これ、本当です。
利益って何かってことになります。ここでは、不動産投資をして家賃収入を得ることを考えます。不動産投資をすると年間の経費などが必要になります。
どこまでを経費とするかもそれぞれ投資家の考えによるとは思います。例えば、車を経費にするとか。ガソリン代を経費にするとか。飲み食いを経費にするとか。銀座や新地の呑み屋の付けを経費にするとか。税務上これらはすべて経費扱いにはなりますが、検証段階でここまでを入れてしまうと、収集がつかなくなります。ゆえに、投資する不動産に限っての経費ってことにします。
まずは、固定資産税と都市計画税があります。これらは固定資産税評価額の1000分の17と決められています。ざっくり固定資産税評価額の2%ぐらいです。
では、固定資産税評価額って何ってことになりますが、不動産の価格は4種類あってその内、一番安価に設定されているのが固定資産税評価額です。一番高価に設定されているのが実勢価格です。
普通の取引の価格である実勢価格は、固定資産税評価額の1,5倍ぐらいではないかと僕は思います。
とするなら、ざっくり購入した不動産価格の2%ぐらいの中に固定資産税と都市計画税とあれこれ管理費用とするとだいたい、計算としては合ってきます。
具体的には、固定資産税評価額が1億円ぐらいの不動産とするなら、その実勢価格は固定資産税評価額の1.5倍ですから、1億5000万円ぐらいに計算できます。またこれらの固定資産税と都市計画税は1000分の17ですから、1億円✕1000÷17=170万円となります。
つまり、1億5000万円で購入した不動産の固定資産税評価額は1億円ぐらいで、これらの年間の固定資産税、都市計画税は170万円ぐらいになります。
ゆえに年間経費を購入価格の2%ぐらいとして計算しますと、この場合は購入価格1億5000万円の2%=300万円ぐらいになります。
僕は不動産投資で年間に不動産の管理費用や経費などは、固定資産税、都市計画税、あれこれ管理費用や火災保険料などを入れてだいたい購入価格の2%から3%ぐらいとして概算にしています。
この場合でしたら、上記計算の300万円ぐらいで年間の経費は賄えるのではないかと考えています。その内訳は300万円の内、170万円が固定資産税、都市計画税です。残りの130万円が火災保険料とあれこれ管理費用としています。
とするなら、例えば表面利回り、2%以上の投資不動産を購入した場合、わずかでありますが、利益が出ます。具体的には表面利回り5%の不動産を購入した場合、この5%から経費あれこれ2%を引き算しますと、3%となります。ゆえに1億5000万円の物件であれば450万円の利益になります。
これが不動産投資をすると殆どの場合利益が出る根拠です。
で、どうなるの
ここからなんですが、この1億5000万円を手元現金で購入するのか否かってことになります。全額借入金で購入することも可能です。しかしこの場合は、不動産投資家のそれなりの実績や資産内容が金融機関に問われます。
これらのハードルを超えて不動産をフルローンで購入したとしても、上記利益の計算に金利分が考慮されるだけです。つまり経費の中に金利分が入ってきます。
金利を仮に2%としますと、年間家賃収入が表面利回り5%として、ここから年間経費あれこれ2%を引き算してなおかつ、金利を2%引き算します。ゆえに5%-2%-2%=1%となります。
ゆえに1億5000万円の物件で表面利回り5%では、フルローンで借り入れた場合年間1%の利益が出ます。計算しますと1億5000万円✕1%=150万円。
で、どうしたの
年間表面利回りで5%廻っている物件なら、手元現金で物件を購入すると、あれこれ年間経費2%を引き算して物件価格の3%ぐらいの利益がでます。
同じ物件を金融機関からフルローンでお金を借りても利益は出ます。しかし、空室リスクなどのリスクを考えると厳しい感じがします。なぜなら金利分を引き算すると物件価格の1%ぐらいの利益しか残りませんから。
で、どうするの
上記はあくまで利益だけの計算をしました。
しかし不動産投資の醍醐味は、キャッシュフローをプラスにすることです。
上記のフルローンで不動産を購入した場合、1%の利益が出ると記載しました。しかし仮に20年返済としてフルローンでお金を借りると、年間では元金返済分は5%になります。
1億5000万円のお金をフルローンで借りた場合、金利は2%で、元金返済は1÷20=5%です。ゆえに、年間では1%の利益が出るけれども、元金返済分の5%分を返済しなくてはならないのです。ゆえに、1%−5%=マイナス4%の逆ザヤになります。
年間4%のお金が足りなくなります。先の1億5000万円の物件の例では、1億5000万円✕4%=600万円のお金が足りなくなります。
なおかつ、先に計算した年間利益物件価格の1%分には所得税がかかってきます。これが勘定合って銭足らずというヤツです。つまり計算上利益が出ていて所得税や法人税を支払わなくてはなりませんが、手元資金が枯渇します。
この状況がひどくなりますと黒字倒産してしまいます。
まとめ
不動産投資でフルローンを選択した場合、月間キャッシュフローと年間キャッシュフローが逆ザヤになる可能性が高くなります。
これらを回避するには、3つの方法があります。
- 現金比率を多くする
- 返済期間を長くする
- 表面利回りの高い物件を選択する
いろいろ悩みます。