不動産投資【新築ってリスクあるのかなぁ】

こんにちは。大賀信幸です。すべては観察から始まる。

不動産投資 リスク 新築

新築の最大のリスクはその価格の高価さです。反面維持管理費用は築古物件に比べて少ないです。また店子が付きやすいのも新築の利点です。

地主さんが、

全額を借り入れして賃貸マンションを建築したりしています。30年一括借り上げとかいうやつもあります。それで採算が合うとするなら、地主さんですから土地の部分は投資金額に含めてないのでしょう。

地主さんが全額借り入れして建物を建築する。そしてその建物に入居された店子からの家賃だけで全額借り入れしたお金を毎月返済する。なるほど、これなら採算が合うでしょう。

物流会社が、

必要に迫られて倉庫を新築した。これもよくある話です。物流屋さんをするには採算が合うのでしょう。

工場経営者が、

自社の工場を建築した。そしてこの工場で商品を生産する。これも採算が合うのでしょう。

で、どうなるの

これらの不動産の価格を考えてみます。

普通に商品の価格を考えるとき、考え方が2種類あると思うのです。

  1. 商品原価を元に価格が決定される
  2. 市場価格を元に価格が決定される

1.商品原価を元に価格が決定される

地主さんが自身の土地に建築物を建築する場合

地主さんですから、土地の価格は不動産投資額には算入しないと思うのです。単純に建築費用だけを不動産投資額としています。もしこれに土地代金を算入するなら不動産投資としてはおそらく昨今では採算が合わないでしょう。なぜなら、建築費用と土地代金の合計と家賃相場が連動していないからです。土地価格と建築価格の合計がこの賃貸マンションの価格になります。

古い本を読むと、戦後から1960年代ぐらいまででは、例えば東京青山通りでは、土地さえ持っていればこの土地にビルを建てる建築費用はその建築するビルに将来入居する予定の店子から預かった保証金だけで賄えたとあります。もっと古い話になりますと、戦後すぐは畳一枚分の土地の値段が畳一枚よりも安かったとか。こんな時代では新築も採算が合ったのでしょうね。

物流会社が倉庫を建築する場合

物流会社ですから倉庫は必須です。この倉庫に顧客から預かった荷物を保管するとか。冷蔵倉庫を持つとか。冷蔵倉庫を持つとか。単純に不動産投資での収益だけではなく、物流ですからものを運んだり、保管したりの収益を合算して採算を合わせているのでしょう。土地価格と建築価格の合計がこの倉庫の価格になります。

工場経営者が向上を建築する場合

自社工場を持って商品をつくるとか。自社工場を持って自動車の整備をするとか。これらも不動産投資だけではなく、工場を経営する部分での収益を見込んでの工場建築です。土地価格と建築価格の合計がこの工場の価格になります。

事業経営者が自社ビルを建築する場合

工場でもなく、倉庫でもなく、自社ビルを所有する。これもよくあることです。この自社ビルを自社の事務所に使う。単純に不動産投資の側面だけではなく、自社ビルを所有することにより、信用を増すとか。償却物件を所有する利点を享受するとか。土地価格と建築価格の合計がこの自社ビルの価格になります。

今、記載した地主の賃貸マンションとか倉庫であるとか工場、自社ビルなどをもし彼らが何らかの事情で売却した場合はどうなるか。

2.市場価格を元に価格が決定される

地主の賃貸マンションも倉庫も工場も自社ビルももしこれらが売却された場合は、原価に関係なく市場価格で売買されます。土地代がいくらかかろうが。新築でいろいろ設計に凝っておしゃれなビルを建築しようが悲しい現実として市場価格で価格が決定されます。

つまり、次にこれらの不動産を購入する人の思惑で決定されます。例えば倉庫などの場合は運が良く、物流会社が購入される場合もあるでしょう。自社ビルなんかも同じ用途で自社ビルとして購入される方もあるでしょう。

しかし多くは不動産投資家目線での思惑の価格になるように僕は思います。どんな思惑なのか。それはそれらの不動産を不動産投資家が購入して第三者に賃貸して採算が合うか。なおかつ、この状態で再度、売却して採算が合うかどうか。

で、どうしたの

この思惑が現実だと思うのです。例えば材料に凝って原価1万円のラーメンをつくったとしても、販売価格1万円以上のラーメンでは営業として成り立たないと思うのです。なぜならラーメンであるから。頃合いの価格といいますか、値ごろ感といいますか。

同じことが不動産でも言えることと僕は思います。

例えば築古の戸建てを賃貸住宅にする場合などがこの原価を元に価格を決定する場合と、市場価格を元に価格が決定される場合の極みではないかと思うのです。

いくらお金を掛けた豪邸でも、築古になりその豪邸が市場に出ると市場価格が優先されます。特に住宅の場合はこの築古感が凄く、築年数が20年を超えるような建築物の価格は殆どゼロになるような。

つまり、一般の住宅などは築年数20年ぐらいになりますと建築物の価格はゼロですから殆ど土地値だけの価格で流通されるという現実になります。

ここが僕ら不動産投資をするものに取りましては、一番おもしろい処ではあります。市場価格で建築物の値段がゼロになっても人は住めます。ゆえに殆ど土地値で仕入れた築古の建物であっても人が住める限り、それなりの家賃設定が出来ることになります。ゆえに、採算が合う不動産になり得ます。

で、どうするの

不動産の原価を元にした不動産価格と不動産の市場価格を元にした不動産価格の差異を見つけるのが不動産投資の肝ではないかと思うのです。新築の場合はあくまで市場価格ではなく原価を元にした価格です。昨今の日本では不動産投資に新築物件を選定した場合、殆ど採算は合わないと結論できるのではないかと思うのです。ゆえに採算が合わないのがリスクです。

まとめ

新築物件は不動産投資での市場価格と乖離しているので不動産投資だけに限れば採算が合わないのではないかと結論できます。新築はリスクとなるのではないか。