どうされましたか
物流系ってどう。
こんにちは。大賀信幸です。すべては観察から始まる。
不動産投資の中で物流系を解説します。何だか物流系の人たちって居心地が良いのです。
不動産投資の種類 物流系
僕は港に近い街に生まれ育ちました。当然住んでいる処は住居地域でしたが、廻りは港湾隣接地域でした。法律的に難しく言うと、
港湾区域及び港湾施設を良好な状態に維持、保全し、港湾機能を十分発揮させるために、港湾区域に隣接する背後地において、港湾法第37条の2の規定に基づいて、港湾管理者が指定した陸域となります。
要するに倉庫やトラック、人夫のおっちゃんが多い地域で良い感じなんです。ここに職人とか何らかの仕事をしている親方とか、地域の商店街なんかが色を添えて街を形成していました。ま、俗にいう下町です。不動産投資をするようになって彼らを観察しました。僕は地域の公立小学校、中学校出身なので友人の親父さん達がこのような人でした。住みやすく人情があり皆親切なんです。
注目したのは土建屋さんです。土建屋さんは小さなダンプカーにユンボと言うシャベルカーを載せて建築現場に行く。現場で器用にダンプカーからユンボを降ろし、空になったダンプカーに現場の土を積み込み廃棄場に持って行く。それらの仕事が終わりまた現場でダンプカーにユンボを載せ帰ってくる。土建屋としてはダンプカー1台とユンボ1台さえ購入すればなかなか良い稼ぎになる。親方としては事業する割にはこれらの設備投資が少額でまかなえる。
彼らに足りないものがあるとすれば
この小さなダンプカーにユンボを載せてそのまま駐車出来る場所とスコップ、ハンマーなどの現場道具を置ける倉庫。そして小さな事務所。どれぐらいの土地が必要なのかと思案しますと。20坪から25坪もあれば十分です。間口6メートルで前面道路が5メートル幅の土地を探してきました。坪単価60万円。ここに1階は駐車場なおかつ、天井高めの倉庫を兼ねました。ダンプカーにユンボを積んでも駐車出来る感じです。2階は1階の3分の2ぐらいのスペースにして事務所にしました。階段は駐車場内部の幅広めの直階段にしました。内装はなしでトイレ、手洗いは完備しました。それと小さな流し台。
2階の床材は安価な南洋材のフローリングにしました。総工費1000万円ぐらいです。内装してなくて設備も最小ですから。合計で2500万円ぐらいです。これを1ヶ月の家賃25万円で賃貸しました。店子はドンピシャの土建屋さんに決まりました。あまりにうまくいったので同規模の建物を続けて2軒建築しました。2件目もすぐに店子決まりました。需要はあったのです。
もし土建屋さんの需要がなければ、単純に倉庫だけの用途として賃貸しようと考えていました。その場合はおそらく家賃20万円ぐらいになるであろうと想定していました。なぜなら、倉庫の相場で計算しましたから。全体像を計算すると、不動産取得費用は2500万円。これに対して年間家賃は300万円。利回りとして計算すると12%。20年のフルローンとして計算すると、月当たり返済額12万円。家賃収入から返済額を引き算しますと、月当たりキャッシュフローは13万円になります。年間では156万円。
整理すると
不動産取得費用 2500万円
年間家賃 300万円
表面利回り12%
借り入れを金利2%20年間とした場合の月当たり返済額12万円
月当たり家賃25万円ー月当たり返済額12万円=13万円
ゆえに月当たりキャッシュフォロー 13万円
年当たりキャッシュフロー 156万円
ここで検証です
これをもし住宅として賃貸した場合を想定してみます。
まず、建築費用はおそらく坪当たり最低でも50万円はしますから、総額では建築面積を30坪として1500万円以上かかります。土地取得費用1500万円を合計すると不動産総額では3000万円になります。
延床面積30坪の住宅ですから、この規模は普通の建売住宅と差異はないです。つまり普通の建売住宅のような家を家賃25万円も出して借りてくれるかと検証になります。答えはおそらく借りてくれません。相場ではせいぜい12万円から15万円でしょう。多めに見て15万円とし検証します。
整理すると
不動産取得費用 3000万円
年間家賃 180万円
表面利回り6%
借り入れを金利2%20年間とした場合の月当たり返済額18万円
月当たり家賃15万円ー月当たり返済額18万円=13万円
ゆえに月当たりキャッシュフロー ー3万円
年当たりキャッシュフロー ー36万円
採算は合わないどころか持ち出しです。
住居系家賃はあまり良い結果にならない事例です。僕物流系が大好きで得意分野の理由です。かと言うて商業系までの家賃にはなりません。しかし場所はあまり問われません。駅近とか病院が近いとか、スーパーマーケットが近いとか。
で、どうなるの
物流系は店子さえ見誤らなければ最大に効率が良い投資になります。また1度店子と契約すれば長期契約になる場合が多いのです。なぜなら店子がその仕事を辞めない限り店子との賃貸借契約は続くからです。僕の経験では土建屋さんは一度土建者さんになるとそうそう仕事を変える人はいませんね。しかしこの発想は僕がたまたま港湾隣接地域に住んでいたから出来たことです。観察対象が身近であったことによります。
で、どうしたの
僕の場合は、上記の経験により積極的に物流系で不動産投資をしています。欠点らしい欠点もありません。この事例以外にも単純に土地を重きにおいた駐車場なども展開しています。あえて欠点とするならば建物や設備での減価償却資産が少なくなる傾向があることです。減価償却資産が少ないと言うことは節税になりにくいとも解釈できます。
で、どうするの
ブログ読者が物流系の顧客を店子として計画する場合は十二分にその地域や店子の職業の観察をしてください。店子が十分に経済的に豊かであることも観察対象としてください。僕が土建屋さんを選んだのも現場仕事系の職業では土建屋さんが一番豊かであると観察出来たからです。
まとめ
不動産投資の種類の中では物流系は相当良い数字が出ます。僕も好んでいますし僕の収益の多くは物流系で占めています。またこれが最大なのですが店子の人情が良い。素敵な人が多いのも特徴です。ここで多分ご参考になると思いますので消費税のことを記載します。
1,土地だけを駐車場に貸す。→消費税必要ない
2,土地の上にアスファルト舗装をする→消費税必要
3,土地の上にアスファルト舗装の下地だけする→消費税必要なし
2,と3,の差は微妙でどこまでが仕上げでどこまでが下地か否かの論点になります。何の論点かと言いますと消費税を払うか払わないか。大家さんとしては店子に消費税を請求するかしないか否かとなります。家賃の10%ですからこの場合の消費税は莫大です。大家さんとしての収益や客付けにも差異が出ます。
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