大賀 信幸 
こんにちは。大賀信幸です。すべては観察から始まる。
不動産投資 失敗 戸建て
戸建てで失敗するパターンは戸建てを過剰に評価しすぎです。この場合の評価は、自己評価でもありますし他人評価でもあります。
何だか戸建てと言うだけで高価な感じがします。郊外で庭付き一戸建てとか。駐車場２台付きとか。敷地面積でも３０坪とか５０坪とか。
駅近くの戸建てならなおさらです。金額にすると数千万円とか。戸建てであるから３０００万円は当たり前とか。これは関西圏の価格ですから関東圏になるともっと価格が跳ね上がるでしょう。
なるほど、戸建てと言うだけで高価なイメージはあります。しかし例えば３０００万円で戸建てを購入して家賃設定はいくらぐらいになるのかを検証してみます。
で、どうなるの
家賃設定は、概算で購入価格の１００分の１ぐらいが理想です。つまり３０００万円とするなら１００分の１で３０万円。果たして戸建て賃貸で３０万円もの家賃を支払って入居する人がいるのかが問題になります。
普通は３０万円もの家賃を支払って戸建て賃貸に入居する人はいません。この事実を市場の観察から得たとしても、自分自身の購入しようとする戸建ての自己評価の高さから、３０万円の家賃で入居する人はいるはずとの市場を無視しての結論になりがちです。
つまり、戸建て賃貸をする場合、戸建てに３０００万円を出す時点で失敗と言えるでしょう。よほど特殊な事例を覗いては計画段階で判断のミスです。
で、どうしたの
とするなら、普通に賃貸マンションを賃貸する場合を想定してみます。普通にファミリータイプで４LDKぐらいの賃貸マンションでは、家賃設定は１０万円から１２万円ぐらいではないか。これに駐車場代を２万円ぐらい設定しても最大で合計１５万円ぐらいではないか。
賃貸マンションの事例ですが、この家賃設定を戸建て賃貸にそのまま当てはめてみます。とするななら、上記１５万円のざっくり１００倍として１５００万円。不動産取得価格はリフォーム費用含めて１５００万円ぐらいが上限ではないかと思うのです。
では、どのようにして戸建てを探すのか。多分１５００万円の価格優先で戸建てを探してもすぐには見つかりません。しかし戸建てを購入するのが仕事ではなく、日々毎日戸建ての価格の定点観測をするのが仕事と割り切れば、２年に１軒ぐらいは見つかります。現実に僕はこの割り切りで戸建てを見つけています。
戸建ての場合は、区分所有の分譲マンションと違い共益費や修繕積立金は必要ありません。固定資産税も木造の場合は安めに設定されています。
ただ、戸建賃貸の場合は購入金額も手頃なのですが家賃設定もそれなりです。費用対効果はそれなりにありますが、ひと物件に１戸ですので費用対手間や費用対時間があまり効率良くありません。ここが難点と言えば難点です。
これらに比べてビル１棟とかマンション１棟はやはり迫力がありますし、収益率はそれなりですが収益額が大きいですね。どちらを選ぶかはそれぞれ投資家の好みでしょう。僕の不動産投資仲間では好んで戸建て賃貸をしている人たちいます。
僕は元々木造の家が大好きなので収益額は横に置いておいてでも採算が合えば戸建てを購入するようにしています。しかしなかなか採算が合う戸建ては見つかりません。
で、どうするの
戸建て賃貸でうまくいかない人は、戸建て住宅を過大評価しているように思えます。ゆえに物件購入にお金を出しすぎる感があります。
投資をしている訳ですから、物件に惚れ込むよりも収益性を重視するのが善手だと僕は思います。余裕のある資金で投資するなら何をしても良いとは思いますが。
また、土地費用は減価償却の対象にはなりません。例えば坪７０万円で購入した土地は３０年後も７０万円であろうと考えると、手元資金に余裕があるのであれば戸建て住宅の値段からその土地代を引き算してみる。
例えば、５０００万円の土地建物の戸建てがあるとします。この内訳は、土地代３０００万円と建物代２０００万円とします。
建物代２０００万円ですからこの２０００万円の１００分の１＝２０万円。
土地建物５０００万円の戸建てを家賃２０万円で賃貸しても、土地代が未来も変わらないと仮定するなら採算は合います。しかし資金に余裕がないと借入金などの返済に追われて資金ショートの可能性は残ります。
まとめ
戸建賃貸で失敗する事例は、必要以上に戸建て住宅を過大評価していることに尽きるように思います。
いずれにせよ、家賃にはそれなりの相場があります。家賃相場から逆算して戸建て購入金額を決定するのが善手のように思います。
蛇足かもしれませんが、戸建てと火災保険は相性が良い印象です。どう相性が良いのかって、それはね。さすがに経年劣化では火災保険はおりませんが、台風とか大雨とかでの水漏れなどは保険で補償されます。
また、落書きや壁や玄関扉への傷なども火災保険の対象になります。普通に賃貸マンションの一室では扉に傷や壁に落書きなどは普通はありえません。しかし戸建ての場合はありえます。
戸建てを購入した場合、火災保険は必須です。
