不動産投資【利回りの目安ってどれぐらい】

こんにちは。大賀信幸です。すべては観察から始まる。

不動産投資 利回り目安

利回りだけでは不動産投資を語れません。しかし利回りを無視もできません。利回りを追いかけると、つまり利回りの高い物件を探し出すと、築古であったり再建築不可の物件であったり。前面道路が極端に狭かったりします。

ある程度、利回りに目を瞑ると築浅物件であったり、規模がそれなりで鉄筋コンクリート造であったり、駅チカの物件であったりします。価格は需要と供給とは良くいうたものです。

別の側面から検証すると、利回りが高い物件は率は高いのであるけれども、額が少ない。利回りが低い物件は率は低いのであるけれども額が大きいと結論できるように思います。

で、どうなるの

現実問題として、利回りの目安はどの程度必要か。これは借入金と返済期間によると思います。不動産投資価格のどれぐらいまでを借入金で調達するかに掛かってきます。

  1. 物件価格 1億円
  2. 借入金  1億円
  3. 家賃収入 800万円
  4. 返済期間 20年
  5. 金利   2%
  6. 年間経費 2%

この検証ではざっくり、表面利回りで年間家賃収入800万円➗1億円=8%になります。

これに対して、年間返済元金は返済期間は20年ですから、1億円➗20年=500万円となります。

金利は2%ですから、1億円✕2%=200万円です。

年間経費は2%と仮定しています。これには固定資産や都市計画税も含むものとしています。減価償却費も含むとします。少し少なめですが。

1億円✕年間経費2%=200万円となります。

年間経費処理できるものの合計は、金利200万円と年間経費200万円です。合計400万円。年間経費だけで400万円必要になります。400万円➗1億円=4%です。年間経費だけで4%です。

ここから元金を返済しなければなりません。年間返済元金500万円です。年間経費400万円と返済元金500万円を合計しますと、900万円になります。

ゆえに不動産購入価格の全額を借入金と仮定した場合、最低でも900万円のお金が必要になります。ここで完結ではありません。なぜなら、利益に対して法人税や個人では所得税を支払わなければならないからです。

この検証の利益額を計算してみます。年間家賃収入は800万円でした。800万円が利益にはなりません。ここから年間経費を引き算します。先に計算した400万円です。800万円−400万円=400万円です。

ゆえに400万円に対しての所得税や法人税が必要になります。

ここでおかしなことに気が付きます。年間必要なお金は上記の計算どおり900万円。利益計算ではプラス100万円。家賃収入は800万円。年間必要なお金を家賃収入から引き算すると年間家賃収入800万円−年間経費900万円=マイナス100万円。

あれれです。これをキャッシュフローと言います。この例では利益が出ても手元のお金が足りなくなります。ついつい利回りだけを見がちですが実は利回りとか利益とかではなく、キャッシュフローを最大に優先すべきです。この例では利益は400万円も出ています。

で、どうしたの

この場合キャッシュフローをプラスにするにはどうしたら良いのでしょうか。方策は2つあります。

  1. 返済期間を伸ばす
  2. 借入金を少なくする

1.返済期間を伸ばす

現時点で返済期間を20年で設定しています。これを仮に30年返済にするとどうなるでしょう。1億円➗30年=333万円となります。現実問題として僕は20年以上の返済期間を想定していません。理由はあまりにも長すぎる感じがするからです。20年は何となく先が見えそうですが30年となると見えなくなるような気がします。これ以外の理由はないですが。

返済期間を20年の場合はキャッシュフローがマイナス100万円でした。返済期間を30年にした場合はどうでしょう。家賃収入800万円−年間経費400万円−返済元金333万円=67万円となります。

ぎりぎりキャッシュフローはプラスになりました。この67万円から利益額400万円に対しての所得税や法人税を支払わなければなりません。まさにぎりぎりのキャッシュフロー。資金繰りになります。場合によればキャッシュフローマイナスになります。

2.借入金を少なくする

1億円の借入を想定していました。例えば6割の6000万円の借入金としてみます。返済期間は20年のままです。

返済元金は6000万円➗20年=300万円となります。キャッシュフロー計算してみます。

年間家賃収入800万円−年間経費400万円−返済元金300万円=100万円。プラスになりました。ここで安心してはなりません。この100万円から利益額400万円の法人税や所得税を支払わなければなりません。ぎりぎりの資金繰りになります。

で、どうするの

ある程度の結論は不動産取得価格の6割ぐらいの借入金をして返済期間を20年とした場合年間表面利回りは8%では厳しいとなります。あくまで8%の利回りで投資判断するのであれば返済期間伸ばすしか方策はないのではないかと思います。

また、8%の利回りで投資判断するのであれば借入金を6割以下にしなければなりません。借入金を物件価格の6割にしてなおかつ返済期間を伸ばすと言う手もあります。

当然利回りは高い方が良いに決まっています。

まとめ

不動産投資で表面利回り計算する場合、利回り計算だけに注力しすぎると肝心な手元資金が枯渇する場合があります。利回りより利益よりキャッシュフローを重視するのが最善手です。