こんにちは。大賀信幸です。すべては観察から始まる。
不動産投資 失敗の相談
全体のことは分かりませんが少なくともここ数年は僕の廻りの人達は何だか健全です。2010年ぐらいまでは知人友人から相談をよく受けました。
殆どが事業の失敗でした。そしてすべてに不動産が絡んでいます。単純に不動産投資だけの失敗ではなく、それぞれの事業と不動産が複雑に噛み合っている感じでした。
理由はどうであれ、集約すると結論はひとつになります。お金が支払えなくなる。収入以上に支払いが多くなる。債務超過とかいうて、資産より負債が多くなる。
順調に事業を進めていた。少し支払いが厳しくなる。たちまち支払いが出来なくなる。仕入れ先にも支払いができなくなる。仕入先から催促の電話がかかるようになる。同時に銀行に、借入金の返済ができなくなる。
社員の給料が支払えなくなる。土地や不動産を売却することを考えるが、不動産に抵当権が設定されている。家族の笑顔がなくなる。家族の顔が尖ってくる。
弁護士はじめ、税理士などに相談する。解決策が見いだせない。家族にも合わせる顔がなくなる。ひとりで悩む。どうしたら良いのか分からない。
で、どうなるの
だいたい、この状態で僕に相談にみえます。それならもっと早くに相談してくれたら良いのになぁなんて思います。僕は別にお金をもらって他人の事業の再構築をしている訳ではありません。
ではなぜ相談にのるのか。ま、一番の理由は友人知人が困ってるから。二番目の理由は僕の観察結果の仮説と検証したいから。
今までの事業を失敗した人たちを観察していると、次はどのような展開になるかほぼ確実に分かるようになります。最悪の事態を避けるように采配すると、最悪ではなくなります。
この場合の最悪とは、一家離散でしょうか。当事者は責任を感じて首吊もありましたよ。もうこの段階になると所有されていた不動産を守るとか、事業の再構築をするとかのレベルを超えています。
葬式会場では誰かが葬式代の保証をしないと葬式あげてくれないのです。僕、何度か葬式代の支払いの保証をしましたよ。もし、葬式をして香典でお金が集まらなければ僕がその差額を支払う。
ま、仕方ないなぁと思いながら何度か保証しました。その頃になりますと、当事者の親戚とか僕以外の友人知人が、葬式の代金を保証している大賀にはあまりにも負担を掛けすぎるという配慮から、僕保証はしたけれども、実際に葬儀代金を僕が支払ったことはありません。
殆どの相談者は大きな借入金があります。運転資金の場合もあるでしょう。不動産を担保に長期的にお金を借りている場合もあります。
融資をするときに金融機関は相当厳しい融資審査をします。なぜ、破綻する人たちはこの厳しい融資審査を通過するのでしょうか。
それは殆どが粉飾決算をしているからです。これも観察により確認できました。事業をされている会社なら、在庫の水増し。売掛金の未回収。貸付金。
在庫水増しどうするの。簡単です。在庫があることにして適当に数字を入れるだけです。売掛金って商品を売却してもらうべきお金です。貸付金って会社が誰かにお金を貸している。売掛金の未回収は誰かに商品を販売したことにして、請求書を発行するだけです。もちろん回収は出来ませんから未回収になります。この未回収の数字が資産になります。
貸付金も同じようなものです。誰かにお金を貸したことにします。すると、貸しているお金は返ってくるものとして財務諸表に記載されます。
なぜ、って思うでしょうが。これらの在庫、売掛金、貸付金はすべて財務諸表の資産の部に入ります。つまり会社が金持ちのように粉飾できます。
で、どうしたの
先ずは相談者が生活できる場を得ることを最優先します。一番手っ取り早いのは相談者が今住んでいる家です。殆どが持ち家です。事業や不動産投資をされている人で賃貸住宅に住んでいる人を僕は知りません。
ここからが不動産の話になるのですが。お金を借りる=不動産に抵当権を設定されてお金を借りています。この抵当権は強力です。抵当権を剥がすにはお金を積むしか方策はありません。
誰が誰にお金を積むのか。当事者がお金を借りている金融機関にお金を積む。しかし積むべきお金がない。お金がないから破綻するのですからね。
ここからの選択肢は2つしかありません。
- 競売
- 任意売却
1.競売
抵当権設定している金融機関がこの不動産を競売にかけます。解決するのに多少時間がかかります。ネットを検索して、競売物件としてみてください。
全国の競売される不動産の情報を手に入れることが出来ます。これらの物件を得るには入札で参加します。つまり、当事者の不動産が競売によりまったく知らない第三者の手に渡るのです。これは何だか辛いです。愛着のある不動産であればなおさらです。自宅とか会社とか工場とか。
この競売になると不動産を取られ、身の回りの100万円ぐらいを残し丸裸になります。次に住む処すらなくなります。
ゆえに競売にならないように采配します。
2.任意売却
これは競売ではなく、字のごとく、任意に不動産を売却します。誰が誰にいくらで売却するのかって処に日々の観察が生きてきます。
まず、誰が売却するのか
名義上は当事者が売却するのです。
誰に、売却するのか
善意の第三者に売却するのです。しかしこの第三者としている処が肝です。別に知人でも友人でも誰でも良いのです。ただし、当事者に協力的な第三者に売却するのが最善手です。
いくらで、売却するのか
名義上は当事者と購入者が価格を決定すれば良いのですが、この場合では、当事者はさておいて抵当権設定者が価格決定の力を持っています。つまり、いくらであれば抵当権設定を外してくれるのかの交渉になります。
ゆえに、抵当権設定者と購入者が不動産の価格を決定します。ここにだいたい僕または、僕の会社のスタッフが入り、抵当権設定者と価格の交渉をします。交渉の肝はまた別のブログにでも記載します。
で、どうするの
売買が成立します。任意売却完了です。そしてこの任意売却物件を購入した協力的な第三者にこの物件を貸してもらうのです。
誰が借りるのか。当然、この物件に住んでいた人です。つまり当事者です。相談者です。破綻しても生活の場は必要です。賃貸マンションを借りるにしても、保証金、保証会社の保証料、家賃が必要です。そんなお金ありません。当然です。破綻している訳ですから。引っ越し費用も必要です。
で、今まで住んでいた家に名義は第三者変更になるけれども、そのまま住む。そして当事者は4年後ぐらいに住宅ローン協力的な第三者から買い戻す。当然その間、当事者は家賃を支払ます。
まとめ
破綻した理由はどうであれ、生活の場を確保するのが最優先ではないか。なおかつその生活の場を取り戻すように采配、注力するのが最善手ではないか。