不動産投資【利回り失敗ってあり得るのか】

こんにちは。大賀信幸です。すべては観察から始まる。

不動産投資 利回り 失敗

利回りだけでは成功も失敗もあり得ないと僕は思います。昨今、ネットで情報が氾濫しています。僕たちが不動産投資をはじめた頃は当然ネット環境になく、情報を得ようと思えば近くの不動産屋さんを訪ねるしか方法はなかったのです。

不動産投資の方策を得ようとするなら書店や図書館で本をむさぼり読むしか方法はなかったのです。

この状態で、不動産投資をする目的で不動産を選定していました。

不動産屋さんも不動産の業界内での情報のやり取りだけしか方策はないのです。これ以外の情報とするなら、売却したい意志の不動産所有者からの持ち込み案件だけです。

これらの不動産に値付けをするのが不動産屋さんの仕事かもしれません。ここなんですが、この値付けがまったくピントを外している場合がありました。

極端に高いとか極端に安いとか。売り主にしても自身の物件の価格が極端に高く表示されているのか、極端に安く表示されているのか知る由もない状態でした。

で、どうなるの

このように情報が閉鎖されている時代でしたら、極端に安い不動産があったかもしれません。極端に安価な不動産ということは、逆算すると極端に利回りが良い物件ということになります。

しかし現時点ではまず、極端に安価な物件などはありません。しかし極端に高価な物件はあり得ます。なぜなら売り主がその値段を主張するからです。仲介業者の立場ではそれを制することはできません。

仲介の不動産業者は、極端に高価な不動産価格と分かっていても外部にその価格を明示します。そして当然、売却できない。この状態が数ヶ月から数年続きます。そして売り主がようやく現実を知るようになります。ここから不動産仲介業者はこの不動産を市場での相場で価格を明示します。

極端に安価な不動産は現実にはあり得ないので、当然利回りの水準も平均的になります。例えば利回りが5%以下の物件は普通流通しないでしょう。

かというて、利回り30%を超える物件もありません。ここらへんから歩み寄り、利回り10%前後に落ち着くのが不動産利回り相場かもしれません。

では、利回り5%が失敗で、利回り30%が成功なのかというとそうではない処に不動産投資の面白い処があります。

で、どうしたの

不動産投資家の中には物件をゼロ円で手に入れて運用している猛者もいます。しかしこれはこれで特殊能力が必要です。

一般的にどうでしょう。利回り5%は失敗なのでしょうか。利回り30%は成功なのでしょうか。

利回り5%の場合

話を簡単にするために、物件価格を1億円とします。利回り5%ですから年間家賃収入は500万円となります。

この物件価格1億円を全額金融機関からの融資に頼るとどうなるのでしょう。金利2%で返済期間を20年と仮定します。

返済期間20年ですから1億円を20年で割り算します。1億円÷20年=500万円となります。1年間で返済する元金は500万円になります。

次に金利ですが、仮に2%とします。初年度として、1億円✕2%=200万円となります。固定資産税、都市計画税、管理費を合計して物件価格の1.5%とします。つまり150万円。

これらを合計しますと、

  • 返済元金 500万円
  • 金利    200万円
  • 管理費  150万円
  • 合計    850万円

これに対して、年間家賃収入は500万円なので、500万円−800万円=マイナス300万円になります。

逆ザヤになりました。つまり資金ショート起こします。家賃収入以外に収入がない場合はこの瞬間に破産への坂道を転げ落ちます。これ失敗です。

しかし、利回り5%で、1億円の半額の5000万円を借り入れします。残りの5000万円は手元資金で調達します。

するとですね。

  • 返済元金 250万円
  • 金利    100万円
  • 管理費  150万円
  • 合計    500万円

ここで年間家賃収入と年間に出るお金が一致します。しかしこれではプラスマイナスゼロです。正確には、年間500万円の収入に対して、金利100万円、管理費など150万円、合計250万円の経費ですから家賃収入500万円−経費合計250万円=250万円の利益になります。他の経費はここではないものとします。

すると、この250万円に対しての所得税や法人税がかかります。つまり税金を支払うとマイナスになります。資金ショートします。これを黒字倒産と表現します。これ失敗です。

次に全額手元現金で購入します。金融機関からの借入金はゼロ円です。

計算すると、

  • 返済元金     0円
  • 金利        0円
  • 管理費  150万円
  • 合計    150万円

年間家賃収入500万円から管理費などの経費を引き算します。500万円−150万円=350万円のキャッシュができます。

ここから税金などを支払わなければなりませんが、資金ショートにはなりません。この状態を成功と表現しても良いと思います。ゆえに失敗ではない。

で、どうするの

利回りは多いに越したことないですが、利回りが少なくても経営方針の差異で失敗にも成功にもなります。

まとめ

情報が閉鎖していない現代は極端に安価な物件はないと感じます。物件価格は安価な方が良いし、物件利回りは多い方が良い。

これらを分かった上で経営方針によって成功も失敗もあり得ます。この場合の成功はキャッシュフォローがプラスになること。失敗はキャッシュフォローがマイナスになることです。