こんにちは。大賀信幸です。すべては観察から始まる。
不動産投資 返済比率
返済比率とは返済額を満室の家賃収入で割り算すると計算できます。
具体例として、話を簡単にするために、
- 物件価格 1億円
- 年間家賃収入 1000万円
- 返済期間 20年
- 金利 2%
と仮定します。
この場合、未定部分は借入額です。当然借入額ですから、借入額を多くすると手元資金が少なくすみます。逆に借入額を少なくすると手元資金が多く必要です。
で、どうなるの
こんなことあほでも分かるのですが、不動産を目の前にして、あれこれ計算したり未来を想像すると金融機関からお金を借りることそのものに躊躇したり、逆に気が大きくなり全額借り入れてみようかと思ったりするものです。
上記の条件で全額借り入れた場合でしたら、借入金は1億円になります。話を簡単にするために物件購入の仲介手数料や登記費用などは物件価格に含むとしています。あくまでも概算です。
1億円を20年返済する訳ですから、元金返済額は年間で1億円÷20年=500万円になります。これに金利が2%必要ですから、年間金利分は1億円✕2%=200万円です。元金返済分と金利分を合計してみます。元金返済分500万円+金利分200万円=700万円となります。
実際には毎年ではなく毎月返済しますので、金利分などはこの想定より少なくなります。判断をするのに数字を安全側に倒しているのです。つまり少し多めな金利計算になるようにしています。
この状態で、返済比率を考えてみますと、先の計算例に則ります。返済比率とは返済額を満室の家賃収入で割り算すると計算できます。
返済額700万円÷年間家賃収入1000万円✕100%=70%
で、どうしたの
返済比率70%ではどうなのか。この返済比率で安全なのか。危険なのか。
上記の例ですと、家賃収入の合計が1000万円でした。年間返済額は700万円。返済比率は70%で、手元に残ると計算出来るお金は30%です。金額にして300万円。
300万円の中には空室リスクや年間の固定資産税、都市計画税を含む経費や管理費用も含まれます。全体の空室リスクを家賃収入の10%としても100万円。東京都の平均でも空室リスクは15%もあるとのこと。15%とするなら150万円になります。年間経費をざっくり年間家賃収入の20%として計算すると200万円になります。
これらを合計すると、150万円+200万円=350万円。あれれ、300万円−350万円=マイナス50万円。逆ザヤです。不動産投資家が一番してはいけないキャッシュフォーマイナスになります。
これでは何かトラブルが発生した場合に対処できません。そもそも毎年50万円もの大金をどこで用意するのかって話になります。
これらを思考実験した結果、どうやら返済比率は50%以下ぐらいがちょうど良いのではないかと結論できました。当然返済比率を30%や20%にすればより安全にはなりますが、30%にするには返済期間を長くするか、借入金を少なくするしか方法はないのです。
借入金を少なくするということは手元資金を多くすることになります。手元資金を多くするのは理想かもしれませんが、僕は元々金がないから不動産投資をしている訳です。
ここ相当重要です。世の中には手元資金が潤沢にある人たちもいるでしょう。僕もこのような人達を知っています。彼らは彼らなりの考えがあって不動産投資をしているのでしょう。
僕の場合は金がないから不動産投資をしているのです。不動産投資に限り借入金で投資が出来る仕組みを見つけたからです。
で、どうするの
返済比率を少なくすることを一覧にしてみますね。
- 借入金
- 金利
- 返済期間
- 家賃収入
1.借入金
借入金を少なくして不動産を取得すると考えると、手元資金が多く必要です。手元資金がないから不動産投資をしているのと矛盾します。
2.金利
こればかりは、自身では決定できません。誰が考えても少ない方が良いのですが。金融機関の意志に従うしかないですね。または、金融機関そのものをかえてみる。
3.返済期間
長くすれば月々や毎年の返済額は減ります。しかし長くするというても上限があります。昨今では35年ぐらいでしょうか。長くすると全体の返済額は増えます。
4.家賃収入
返済比率を下げるには、家賃収入を上げるという方策があります。
結局それぞれの項目を精査しても、行き止まりになってしまいます。思考停止とでもいうのでしょうか。結論としては、結局手元資金が少ない内は、利回りの多い物件に投資するしか方策はないのではないか。
まとめ
返済比率の計算は簡単です。可能であれば返済比率は少ない方が良い。しかし返済比率を少なくするには限界があります。
世の中うまくなっているものでして、利回りの多い物件って価格が安価であったりします。高額な物件で利回りの高い物件ってないものです。
とするなら、不動産投資をはじめたばかりの人であれば最初は金額も安価であるけれども利回りの多い物件から徐々にステップアップしていくのが王道ではないかと思うのです。