こんにちは。大賀信幸です。すべては観察から始まる。
不動産投資 個人失敗
僕は良く相談されます。不動産投資だけではなく、建築全般とか。不動産のこととか。契約関係とか。個人と法人では、運営母体が個人か法人かの違いで、内容には差異はないように思うのです。
こんな思いでいろいろ考察してみますと、個人で出来て法人では出来ないことがひとつだけあります。なおかつ、個人では比較的簡単にできることです。
それはね。住宅ローンで不動産を得ることです。僕は自宅も不動産投資の一部であるという考えに立っています。
僕の考えとは相反し、不動産投資家の中でも自宅はあえて賃貸住宅に住んでいる投資家もいます。一瞬あれって思えますが、なるほどとも思えます。不動産投資はあくまで仕事であり、プライベートでは一切不動産投資的なことは行わないとの信念の投資家です。
住宅ローンは法人では組めません。あくまで個人で、自身が住むための住宅を得るための金融商品です。各金融期間がそれぞれの商品を出しています。
大きく分けると、銀行系とフラット35系に分かれます。銀行系はだいたい20年返済が多いです。フラット35系は35年返済でなおかつ、金利が一定です。固定金利と表現します。
住宅ローンは比較的誰でも大きなお金を借りることができます。例えば概算ですが、フラット35では年収の10倍まで貸してくれます。
年収が400万円なら4000万円借りることができます。そして返済期間は35年です。なおかつ返済最終は80歳です。4000万円借りたとして計算しますと、月当たり12万円ぐらいの返済になります。なんとか返済できるレベルです。
ここに相当盲点があるように僕は思います。
で、どうなるの
住宅ローンは比較的借り入れるのが簡単なので、ついつい過剰に借り入れる傾向があるように僕は思います。なおかつ、自宅としての住宅ローンですのでこだわりのある自宅を建築しがちです。
なおかつ、一生に一度とか言う考えの人が多いので過剰な設備、過剰な仕様を選択しがちです。なおかつ、交通の便の良いところは土地値が高いので駅から遠い処とか。バス圏とか。決してバス圏が悪い訳ではないのですが、果たしてわざわざバスに乗って移動すべき地域なのかの自問が必要です。
なおかつ、郊外型の住宅街を選択しがちです。最寄りに病院、学校、スーパーマーケットなど生活インフラが整っている住宅街では問題ないのですが、これらのインフラがまったくない住宅街も存在します。
で、どうしたの
このように、僻地の住宅街でも住宅ローンならローン審査に通ってしまう処が怖いのです。これが普通の投資用不動産なら、融資担当者は地価とかその地の利便性とか収益性を加味して融資審査します。しかし住宅ローンでは収益性や利便性などはあまり融資審査に影響がない印象があります。
つまり、普通の住宅でなおかつ常識的な価格の住宅なら利便性が悪くても、地価が低くても、生活インフラが整っていない地域でも住宅ローン審査に合格してしまう処に危険を僕は感じるのです。
で、どうするの
なぜ危険なのか。例えば利便性が悪く、生活インフラが整っていない地域の新築住宅価格が4000万円ぐらいの物件は普通にあります。その代わり少し広いとか。設備が少し充実しているとか。
しかし、このような物件を選択すると万が一住宅ローンが支払えない場合は潰しが効かないと言いますか、代替案がないのです。
4000万円の住宅ローンを組んで、例えば数年が過ぎる。ローン残債が3000万円ぐらい残っている。この状態で住宅ローンが支払えなくなる。どうするか。
ある程度利便性が良い地域なら住宅ローンが残っている状態で第三者に賃貸することも可能です。しかし利便性が低い地域では誰も借り手がいない。
損切りを覚悟してこの家を転売しようとしても買い手がいない。仕方がないからもっと損切りしようにも、住宅ローン残債があるのでローン残債を手金で精算しなければならない。当たり前ですが、その手金がない。つまり破産以外に選択肢がない状態です。
まとめ
不動産投資で、個人で失敗の可能性が高いのが、自宅を住宅ローンで利便性のない地域に得ること一択と僕は思います。売るに売れない、貸すに貸せない。つまり売ろうと思っても買い手がいない。貸そうと思っても借り手がいない。住宅ローンが支払えないようになると打つ手がないのです。つまり破産の可能性が最大になります。