こんにちは。大賀信幸です。すべては観察から始まる。
不動産投資 手出し
せっかく不動産投資をしているのに毎月、毎年手出ししている人います。
不動産を購入して、店子を探している段階での手出しならありえる話なのですが、不動産を購入して、店子が付いているにも関わらず、毎月手出ししている人います。
もともと不動産は投資するしないにかかわらず、維持するだけで経費がかかります。維持するだけでかかる経費を一覧してみます。
- 固定資産税
- 都市計画税
- 物件管理費
- 店子管理費
- 減価償却費
で、どうなるの
これらの維持費の詳細を記載します。
1.固定資産税
固定資産税は固定資産税評価額にもとづいて算出されます。毎年1月1日現在に不動産登記をされている人や法人に対して固定資産税が課税されます。
税率は、固定資産税評価額の1000分の14です。
2.都市計画税
登記されている不動産が市街化区域内にある場合は、都市計画税も課税されます。都市計画税は固定資産評価額の1000分の3です。
これら2つは不動産を所有しているだけで必要な税金です。また、不動産を取得して不動産登記をする場合に登録免許税が必要です。この登録免許税も固定資産評価額によって決定されます。
3.物件管理費
区分所有のマンションなどはマンション自体の管理費が必要です。この管理費の用途は、共有部分の維持管理費用です。例えば清掃費とか電灯、エレベーターなどの電気代、自動ドア、エレベーターなどの維持費や点検整備費用。火災保険なども含みます。
4.店子管理費
店子からエアコン潰れたとか、ドアの開け閉めがスムーズでないとか。鍵が壊れたとか。雨が漏れたとか。玄関の電灯が切れたとか。給湯器からお湯がでないとか。シャワーから冷水しかでないとか。
これらの対応は自身では出来ないので普通は、管理会社に管理をお願いしています。
5.減価償却費
手元のお金が出ていく訳ではありません。よく節税になるとかの話されている方います。節税にはなるでしょうが、その分建物の資産価値が下がっていることを唱える人はあまりいません。
元々減価償却費がなぜ認められているのか。それは、建物の価値が経年によって下がるであろうから、減価償却費が認められています。つまり、建物の価値が経年によって下がっています。
ゆえに、価値が下がった分は経費としてみなせます。
で、どうしたの
これらの不動産を維持しているだけでこれらの経費がかかります。経費がかかるから、手出しするなんて投資ではないような気がします。
なおかつ金融機関からお金を借りて不動産を購入した場合は、
- 元金返済
- 金利
が発生します。
1.元金返済
よく経費と間違える人います。例えば1000万円を20年間の返済期間で返済した場合、1000万円÷20年間=50万円となります。
つまり1年間で50万円の元金返済する必要があります。
1000万円の不動産に対して月当たりの家賃が6万円の場合は、12ヶ月✕5万円=72万円となります。
上記元金の処で、年間50万円返済する必要ありと記載しました。家賃72万円−50万円=22万円となります。
プラス22万円になりました。しかしこれで確定ではありません。
2.金利
元金返済以外に金利負担があります。今、金利を2%と仮定します。1000万円を借りれた場合は1000万円✕2%=20万円となります。正確には月払ですから、1年間では、20万円以下にはなりますが、安全をきして20万円とします。
上記元金返済50万円+金利20万円=70万円が1000万円を借り入れした場合の年当たりの返済元利です。
家賃収入72万円−返済元利70万円=2万円。
固定資産評価額、都市計画税、管理費、保険代などが掛かります。これらを概算で計15万円とします。
上記2万円−15万円=マイナス13万円となります。
ゆえに、毎年13万円の手出しになりそうですね。実は違います。え、と思うでしょうがここに税金がかかります。所得税です。法人の場合は法人税です。
え、毎年13万円の手出しつまり、マイナス13万円やのに税金はなぜかかるのか。それはね。返済元金を経費扱いしているからです。返済元金は計算上引き算になりますが、税務上では経費にはなりません。
上記でしたら、
- 家賃収入 72万円/年
- 金利 20万円/年
- 元金返済 50万円/年
- 諸経費 15万円/年 固定資産評価額、都市計画税、管理費用、保険料などを含む
この場合の手元キャッシュの計算は、
家賃収入72万円−金利20万円−元金返済50万円−諸経費15万円=マイナス13万円です。
しかし損益計算では、返済元金を含みません。
家賃収入72万円−金利20万円−諸経費15万円=37万円となります。
ゆえに、この37万円に税金がかかります。他に経費が掛からないとするならですが。
ましてや、店子と賃貸借契約している状態で毎月手出しが必要であれば、おそらく投資の概念が間違っているように僕は思います。
どうするの
不動産を選定する前段階で、上記のように金融機関からお金を借りて不動産を購入する場合も含めて毎月、毎年の手出しはない状態で事業計画をすべきです。
手出しがある状態、つまりキャッシュフォローマイナスな状態では投資をしては駄目です。
まとめ
毎月手出しがある。毎年手出しがある。別の表現を使うならキャッシュフローマイナスです。計画段階でキャッシュフローマイナスになるような不動産には手を出さない。