不動産投資【家賃保証ってリスクないのかなぁ】

こんにちは。大賀信幸です。すべては観察から始まる。

不動産投資 リスク 家賃保証

僕が不動産投資をはじめた頃は家賃保証会社が存在していませんでした。または存在はしていたけれども一般的ではなかったのです。

家賃保証がなかったので、店子の経済的な状況とか店子の責任感とか。これらを含めて信用という言葉を使います。

店子の信用を調べようがなかったのです。では昔の人達はどうしていたのか。保証人を得ることでそのリスクをヘッジしていました。

店子にすれば保証人をお願いした人に不義理はできないであろうとの心理的圧迫があるのでしょう。そして保証人になった人は店子の債務を保証する訳ですから店子の動向をいつもチェックする習慣も身についたのでしょう。

義理人情で信用を維持していたのかもしれません

ここまでは義理人情ですが、もうひとつの側面として、保証金を預かることで信用としていた例もあります。昨今では保証金は家賃の3ヶ月分とか少ない賃貸借契約になると保証金なしとか。保証金以外にも礼金とか、敷金とか。または、契約更新料とか。いろいろな名目でこの店子の信用を担保していました。

で、どうなるの

この頃の大家さんと店子との賃貸借契約の内容は、

  • 契約更新料はなし
  • 家賃
  • 保証金家賃6ヶ月分
  • 敷金2ヶ月分
  • 保証人必須

それが今では、家賃保証会社がありますので、

  • 契約更新料はなし
  • 保証金家賃1ヶ月から3ヶ月分
  • 敷金ゼロ
  • 保証人必須ではない

で、どうしたの

僕の不動産投資をはじめた頃は家賃保証がない時代でした。ゆえに管理してくれている不動産会社にもお任せしていましたが、最終的に店子の信用状況を判断するのは僕でした。

最初の頃は僕も20歳代でしたので人生経験もなく、社会経験もゼロでした。僕そもそも就職したことがないので名刺の渡し方さえ習ったことありません。新婚さんを対象にした部屋もありましたので20歳代のその頃の僕は同世代の人たちが店子でした。

目の前に店子が現れ、この店子の信用を判断する状況になっても、判断のしようがなかったのです。で、多くの家賃の踏み倒しとか、不払いとか、夜逃げされたことを経験しました。

ここで、お金はないけれども支払う気持ちは十二分にある。しかし支払えない店子がいることを知りました。僕の経験した例では、店子は嫁子がいて平和な感じの家庭でした。

玄関には奥さんと子供さんの小さな靴。店子の大きな靴。この店子は契約の時から知っていました。当然僕が店子と賃貸借契約するのか否かを僕が判断した訳ですから。年齢は僕と同じぐらい。

店子は職人さんで真面目に仕事をされていました。僕も現場仕事は大好きですから好感が持てました。で、しばらくすると家賃の不払いが発生しました。

管理している不動産屋さんから連絡がありました。しばらく様子見して、この不動産屋さんと店子を訪ねました。すると仕事現場に行く途中で交通事故にあったとのこと。怪我して仕事できなくなっていました。

普通は相手側からの保険で処理できます。しかし相手側は無保険であったとのこと。普通は自身の生命保険や医療保険で処理できます。しかし自身の生命保険や医療保険には加入されていませんでした。店子は嫁子の前で僕に土下座して、もう少しここに居さして欲しい。ここを追い出されたら嫁子も生活できなくなる。

この状態で、結局僕もたまらなくなってしばらく様子見してたのです。結局は夜逃げでした。保証人も逃げていました。

この体験上知ったことはこの頃以降の僕の事業での経験としていろいろ感じるものがあります。

お金は有り余る程あるのに支払わない人と、お金はまったくないけれども、支払う気持ちだけは相当あるけれども支払えない人とではどちらが悪い人なのか。

僕もいろいろ考えました。お金はあるけれども支払わない人。お金はないけれども支払う気持ちは人一倍ある、しかし結果的には支払えない人。

僕の出した結論は支払う義務のあるお金を支払わないのであるから、両方悪い人となります。

この感覚が僕事業をする上で相当役立っています。逆説的にいうと、僕が支払う立場になった場合は、相手に不安を与えず早めに支払うまたは、都度都度正確に支払うことによって僕の信用が増すことを学びました。

また、僕は幸運に恵まれています。しかし世の中には幸運に縁のない人もいることを知りました。どう考えても世間は不公平であることをこの頃知りました。

家賃を得ることは店子の生活費の一部を頂くことだと当たり前ですが、実感した僕の20歳代でした。

で、どうするの

家賃保証会社が昨今では存在するのでこれらの家賃保証会社の保証の条件などを考慮して複数の家賃保証会社の中から最適な保証会社を選ぶのが善手でしょう。

しかしあえて言うとするなら、すべての判断を保証会社任せにせずに、年に数回ぐらいは直接店子を観察するのも良いかもしれません。

どんな人か。どんな環境か。どんな家族構成か。年齢は。などを観察すると今後の賃貸経営に活かせると思うのです。

まとめ

家賃保証があるから保証人は必要ない訳ではありません。家賃保証会社に保証をしてもらってなおかつ保証人を求める大家さんもいます。

逆の立場で考えます。もし僕が何らかの賃貸借契約をして、保証人を必要とされた場合どうするか。この問題は永遠のテーマでもあります。

なぜなら、もし僕が保証人を求められたら僕以外の第三者にお願いせざるを得ません。そうすると僕は僕の保証をしてもらった人に対して保証をしなくてはならなくなります。

ここで、それぞれの性格にもよるでしょうが義理の貸し借りが出来てしまいます。義理だけではなく債務の貸し借りになります。

これは僕らのように事業をしている身では相当なハンディになります。なぜなら第三者の債務まで責任が持てないからです。

ここからなんですが、この問題を解決する手段があります。それは法人化することです。会社を持つことです。つまり賃貸借契約を法人で行います。そして保証人として代表者である僕が保証する。契約の当事者は法人で保証人その法人の代表取締役となり、一件落着です。