不動産投資【表面利回りの目安はどう。考え方によるからなぁ】

こんにちは。大賀信幸です。すべては観察から始まる。

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結論として、不動産投資の目的にもよります。不動産は金額が大きいので償却資産として所有することも出来ますし、単純に土地は資産としても所有できます。

不動産を所有することが目的

これらを目的とする場合は、表面利回りは当然多い方が良いですが利回りだけでは目安にはなりにくいと思います。なぜなら資産として不動産を所有することが目的であるからです。投資には違いはないのですが、運用して家賃収入を得ることを目的にしていない場合です。

償却資産として所有するということは、ある程度の節税効果にはなります。これも考えもので償却資産の考え方は減価償却費ですから、不動産の値打ちが経年によって下がる。この値打ちが下がった分を利益から引き算しますということです。表面上の節税になっても不動産の値打ちが下がっていることには間違いないのです。これを節税と表現するのはどうかなぁと僕は個人的に思います。

資産として土地を所有する場合や償却資産として建物を所有する場合は相当信憑性があります。何に対しての信憑性かと言いますと、金融機関に対しての信憑性です。金融機関からお金を借りるのに決算書を粉飾する人います。これが粉飾決算です。嫌らしいことを書くと決算書上の貸借対照表の資産の部で土地や建物や現金は粉飾出来ないからです。

では資産のどの部分が粉飾し易いかと観察すると、売掛金や貸付金の部分です。適当な販売先を架空にでっち上げ架空にでっち上げた販売先に架空の売上を記載する。これが売掛金を粉飾させる例です。

また、貸付金も資産になります。適当な人をでっち上げ、お金をその人に貸していることにするとその貸していることにした金額全部は資産になります。

でっち上げの極みは在庫でしょう。適当に価値のない在庫を適当な金額をつけるとどうなるか。資産になります。

これらと比べて不動産は登記もありますし、現物も書いて字のごとく不動なので粉飾のしようがないのです。

ゆえに金融機関などに経営の健全さを提示する方策のひとつに成り得ます。

で、どうなるの

不動産を運用することが目的

事業として不動産投資をする場合はのんびりしたことを言うている場合ではありません。絶対に家賃収入や転売で利益を得る必要があります。ましてや、全額借りたお金で運用しようとするとますます、のんびりできません。

これらの場合の目安でが、借り入れ金額と家賃収入金額と金利と返済期間の塩梅によります。

不確定な要素がありますので、以下に設定してみます。

  1. 不動産取得額
  2. 借り入れ額
  3. 年間家賃収入額
  4. 金利
  5. 返済期間

単純に表面利回りは、

家賃収入額➗不動産取得額で計算されます。

ややこしくなりそうなので具体例で計算してみます。

不動産取得額   1億円

借り入れ金額   1億円

年間家賃収入額 1000万円

金利         2%

返済期間      20年間 

不動産取得価格全額を借り入れと仮定します。

1億円の不動産に対して1億円の借り入金額です。この場合の不動産取得額としては、登記費用とか司法書士費用、仲介手数料なども含むとしても良いでしょう。あくまで目安ですから。

収入としては、

年間家賃収入額として1000万円とすると、表面利回りは1000万円➗1億円=10%になります。

これが収入の全部です。

支出としては、

金利と元金返済

金利は2%と仮定しました。返済期間は20年間ですから1年当たり1年➗20年=5%の元金返済になります。返済には元利均等返済と元金均等返済があります。今回は安全側に計算出来るように元利均等返済でなおかつ、初年度ではどうなるかを計算します。正確には年度ではなく、初月から計算する必要がありますが。ここではあくまで概算ですので初年度で計算します。

あれこれ記載しましたが、計算を簡単にする為です。

金利+1年間当たりの元金返済ですから、2%+5%=7%となります。

固定資産税、都市計画税などの経費や管理費用

家賃収入額から毎年の固定資産税、都市計画税、管理費用などを引き算しなければなりません。

固定資産税と都市計画税は合計して不動産評価額の17/1000です。固定資産税評価額は不動産取得額とは違いますが、不動産取得額より下回る額です。ゆえに額で計算しないで率で計算すると仮定すると、17/1000ですから約2%になります。これで計算は安全側になります。ゆえに、毎年2%の経費必要と計算できます。

支出合計

金利と元金返済と必要経費を合計すると、2%+5%+2%=9%です。

で、どうしたの

ゆえに表面利回り目安としては、上記の設定と仮定すれば不動産取得額の9%の支出があることになります。これに対して表面利回りは10%です。差し引き1%の益になります。リスクを考えると採算は合いませんね。

で、どうするの

ここからがそれぞれ投資家の考え方です。上記の例でしたら1億円の借り入れ金を例えば7000万円にしてみるとどうでしょう。1億円借り入れたとして1億円に対しての元金返済は5%でした。これの7掛けですから、3.5%になります。6000万円の借り入れでしたら5%の6掛けですから3%になります。

つまり年間支出が減額されます。計算してみますと、表面利回り10%に対して借り入れ額6000万円の場合年間支出は金利2%、元金3%、経費2%で合計7%になります。

ゆえに10%−7%=3%と計算されます。1億円の物件に対して6000千万円借り入れしたと仮定すると年間3%で300万円の益となります。少し採算が合ってきたようです。

まとめ

表面利回りは当然多い方が良いのですが、表面利回りだけで判断するのは得策ではないようにも思います。ここらへんの塩梅が不動産投資を複雑に難しく見える処かもしれません。