久しぶりに友人の弁護士の先生から電話。
僕 先生ご無沙汰です。
先生 大賀さんお願いあります。
僕 どうされましたか。
先生 実はクライアントが破産するのです。彼の家を買ってください。
僕 はい。
先生 そして購入した後で彼にそのまま賃貸してください。
僕 場所はどこですか。
先生 大阪府下です。
僕 了解しました。詳細はうちのスタッフが先生の事務所にお伺いします。そのときに詰めてください。
最初から弁護士の先生が入ってるから話は早い。段取りも良い。しかし欠点もひとつだけあります。おそらくこのクライアントは職業的に社会復帰しないと予感できました。まだ僕がクライアントに会う前の話です。
こんにちは。大賀信幸です。すべては観察から始まる。
不動産投資に限らず借りた金返せない場合の対処法です。今回は具体的事例3とします。弁護士の先生からの案件です。
借りた金返せない 事例3
うちのスタッフが弁護士の先生の事務所に伺い話を聞いてきました。先生も勝手が分かっているので要点は3点だけ。まず1点目はこのクライアントの家をいくらで僕の会社が買うか。
2点目はこの家をいくらで僕の会社がクライアントに賃貸するか。3点目は最終的に僕の会社がクライアントにいくらで売却するか。
1点目は弁護士の先生の仕事です。もうすでに金融機関と話を付けてありました。売買の売主はこのクライアント。買主は僕の会社です。しかし売主は大きなお金を銀行から借りている。この家に抵当権設定されている。そして破産の段取りしている。このような場合は結局、価格が決まって僕の会社がこのクライアントにお金を支払ってもそのままクライアントの前を素通りしてお金を貸した金融機関に渡ります。当たり前ですが。
ゆえに最初からこの家の売却価格の交渉相手ははクライアントではなくクライアントにお金を貸している金融機関なんです。この部分を僕に電話をくれた友人の弁護士の先生がしてくれました。2100万円。
2点目は僕の会社と弁護士の先生との話し合いです。法外な金額で賃貸するべきではないし、現実問題ではできない。話し合いを重ねた結果家賃17万円。この家豪邸で駐車場に車3台停めることできます。庭にバーベキュースペースあります。大きめの5LDK。クライアントに確かめて了承をもらいました。
3点目の買戻し価格です。買取価格の20%頂いて2500万円としました。実際には登記費用や不動産取得税、登録免許税などコストかかりますが込み込みで2500万円と約束しました。
約束はしたけれども何か危うさを感じていました。理由はね。このクライアントは事業をしていて、破産になった。僕も過去に多くの破産した友人知人います。その多くは、例えば運送屋さんが破産した。そしてその後その社長はどうするか。やっぱり運送屋さんするのです。建築屋さん破産した。そしてその後その社長はどうするか。やっぱり建築屋さんするのです。
今回のクライアントもおそらく同じ仕事を1から始める予定であろうと想像できます。しかしここからなんですが、ここ最重要なんですが。最初から弁護士の先生が破産の采配に入り弁護士の先生主導で破産のストーリが描かれている。
今回の弁護士は友人の弁護士ですが弁護士である限りこれは当たり前。しかし僕の観察ではこのパターンは社会復帰出来ない。
なぜなら、破産の場合は債権者に広く公平に債務が弁済されるからです。例えば破産者の債務が1億円とします。手元のお金を不動産売却したりして1000万円作る。ゆえに債権者には広く公平に弁済される訳ですから一律10%しか返済できません。
具体的にはこの債務者に100万円の債権がある債権者は100万円の10%の10万円弁済されます。つまりすべての債務者は債権者にババかけられる。多少は返済されるかもしれませんが踏み倒される。
人間心理として踏み倒した奴には将来協力しません。ゆえに、このクライアントは仕事上社会復帰は無理であると予測できるのです。え、ではどうするのとブログ読者は思われるでしょう。これは別のブログに書きますね。
で、僕の会社がクライアントの不動産を2100万円で買い取り、破産したクライアントと僕の会社が賃貸契約を結び家賃17万円で賃貸始まりました。
僕の会社のリスクを記載しますと。果たしてクライアントが5年間17万円支払い続けられるのか。破産者なので家賃保証の会社も付きません。当然破産者なので保証金もありません。
家賃支払えないときの保全はゼロです。支払い続けたとして2500万円で僕の会社からクラインが買い戻せるのか。買い戻せないときは僕はこの不動産を市場で購入価格プラス諸経費以上で売却できるのか。
賃貸が始まりました。奥さんと小さな子供2人いました。4人家族。お会いしたら良い人でした。おそらく優しいお父さんなんでしょう。
賃貸したことも忘れていた1年後家賃が滞るようになりました。うちのスタッフから連絡しても電話に出ない。弁護士の先生に連絡しても改善なし。僕が電話したらたまに電話に出る。しかし言葉は嘘ばかり。
よくある家賃滞納者の行動です。しかし小さい子供います。この家出たらクライアントはホームレスになります。僕の判断が鈍ります。僕根性なしやから強く交渉出来ないのです。
しかし何度目かの電話でこのクライアントには実家があることが分かりました。実家には母親一人で住んでいる。実家があるということはこのお母さんからみたら孫は可愛いはずやからきっと孫を引き取る。
つまりホームレスにならない。僕根性なしやけれども強く交渉できる裏付けを得ました。こんなことに時間とお金をかけるのも僕が辛いので、僕が電話しました。
申し訳ない、この家を出てくれ。今月中に出てくれ。出ない場合は強制に家具、家財を処分する。
割ときつめに電話で言いました。こんな電話を3回ほど。その度ごとに退去の日にちがズレます。最終的に相当強く退去言いました。
するとね。しばらくして僕が知らない番号から僕の携帯に着信。気になるので出ました。弁護士からでした。
僕の友人の弁護士ではなく、このクライアントが別に依頼した弁護士。つまりあちこち嘘ばかり付いているので僕の友人の弁護士にも連絡しにくくなり。
別の弁護士に連絡して連絡された弁護士から僕への電話でした。要件は、大賀さんそれ以上立ち退きや退去を迫ると大賀さんが犯罪者になりますよ。と弁護士。
あのね。あんた弁護士であろう。僕も犯罪者になりたくないよ。ではこれ以上の追い込みは今日限りでやめる。しかしあんたも弁護士なら事情分かるはず。追い込みやめるから退去の日約束してくれ。
弁護士として約束してくれと伝えました。約束してくれました。で、クライアント退去しました。家賃は踏み倒したママ。
しかしこんな場合はどうやら幸運の女神は見ているものですね。この不動産3100万円で市場で売却できました。踏み倒された家賃も含めて損害はなかったです。しかしこれは結果論ですからね。
で、どうなるの
結局僕がリスクを取って不動産を買い取ったがクライアントは家賃が払えす退去。結果的に僕に利益をもたらせた不動産であった。元々の所有者であるクライアントは辛い思いをしたであろう。
で、どうしたの
僕は最大限リスクを取ったつもりで尚且つクライアントに誠実であろうとしたが最終的にクライアント側の弁護士に犯罪者呼ばわりされることになる。僕の判断が間違ってるとは思わないが方策はあったはず。反省が残る。
僕の反省はクライアントともっと多くの時間を共有してクライアントの仕事のことをアドバイスではないが話を聞いたら良かった。なぜなら想定に無理があるのを僕が気が付いていたから。
なぜならこのクライアントは破産した後も元の仕事を個人事業主として始めていたから。つまり債務を踏み倒した会社と一緒に仕事をしようとしていたから。うまくいくはずはない。
で、どうするの
ブログ読者なら僕の判断のミスは分かるはず。このクライアントの仕事を個人事業主として元の仕事をするのではなく、お勤めをして給与所得者として社会復帰すべきであった。
それなら例え安価なお給料でも不義理はしないと思う。夫婦でお勤めしたら合計で月額20万円づつのお給料で40万円ぐらいになるはず。これなら17万円の家賃支払えたはず。
で、破産明けから復帰して銀行取引出来るようになる5年後に2500万円で20年の住宅ローン組むとしても月々のローン支払い10万円。これが最善手と僕は思います。
まとめ
リスクを取ってもそれを尊重しない人はすべてに信用をなくす典型ですね。彼はもう職業的な社会復帰は無理でしょうね。残念に思いました。
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