不動産投資【住宅ローンにリスクはあるのか】

こんにちは。大賀信幸です。すべては観察から始まる。

不動産投資 リスク 住宅ローン

一昔前の住宅ローンは相当リスク高かったように思います。

名前だけ聞くと、良い感じなのですが実際はまったくゆとりがなくなる住宅ローンでした。1993年から2000年まで住宅金融公庫が販売していたゆとり住宅ローンです。

何がゆとりなのかと、当初5年から10年間はゆとり期間として返済金額を抑えている住宅ローンです。ということは、6年目または11年目から一気に住宅ローン返済額が増えます。

この住宅金融公庫が販売していたゆとりローンは経年によりローン申し込み者の年収が増えることを前提に設計していた感じです。

今から思えばおめでたいとしか言いようがない制度設計です。日本のバブル経済崩壊が1990年代はじめです。バブル経済が崩壊してから制度設計して販売されました。ここではバブル経済崩壊の教訓は活かせなかったのでしょう。

で、どうなるの

例えば1990年代中盤から2000年に掛けてこのゆとりローンで住宅を購入された方達はちょうどその6年後とか11年後にリーマン・ショックを迎えます。まさに火に油を注ぐ状態でした。マスメディアでも大きな話題になりました。

現時点ではこれらの反省を踏まえたのか。フラット35という商品が発売されています。名前のごとく35年間金利や返済額はフラットなのです。

逆に言えばこの日本はもう経年によって、年収は上がらないであろうことを前提に制度設計されています。

果たしてこれを良い制度と言えるか否か

なぜなら、1990年代はじめのバブル経済崩壊から2010年のアベノミクスまでは失われた20年とか言われています。身近な例では職人の日当は上がらない。学生の初任給もほぼ横ばい。当然、働く人の年収も上がらない。

で、2011年から本格的な好景気となりました。株価は上昇、不動産の価格も上昇。このまま賃金や初任給も釣られて上昇するのかって期待もありました。なるほど、株価は7000円代からもう今は3万円を間近に迎えています。

現実問題として賃金はあまり上がっていない印象です。ただ、アルバイトの時給は上がっている感じです。この意味も僕なりに観察すると、2008年ぐらいからスマホが必須アイテムになりました。あまりにも安い時給であれば生活できないから時給が上がったのでしょう。

いくら安く設定しても毎月5000円から1万円ぐらいスマホ代に掛かってしまいます。最近では少し安くなりましたが。政府もスマホの料金に対して苦言を出しています。

実際には殆ど年収に変化はないけれども、生活するコストが上がっている感じがします。つまり実質年収は下がっているのではないか。

実質年収が下がっているのではないかと思えることが他にあります。僕は車が好きなので道行く車を眺めています。気になります。しかし最近皆車の話題が少なくなった感じがします。これも生活コストを抑えるためでしょう。

ネットの時代はなるほど、便利です。僕も便利さからネットで買い物します。しかし良く観察するとネットで買い物する方がリアル店舗で買い物するよりも送料が必要であっても安価に同じものを得ることができます。

これらも、ただネットが便利だけではなく、ネットで買い物をすると安価で購入できることもネット繁盛の要因だと思います。

で、どうしたの

不動産投資の原稿でなぜ住宅ローンを記載しているのか。自分自身で住む目的の住宅であっても考え方ひとつで十二分に不動産投資の考え方が活かせると思うのです。

お金を消費に使うと負債な感じになりますが、運用に使うと投資な感じになります。で、自分自身が住む住宅も自分自身が住まなくなった後どうするかを、住まなくなる前に考えることで不動産投資の考え方が適応できます。

自分自身が住んでいる状態で住宅ローンが返済出来るか否かを、年収だけではなく生活コストも含めて考えること必須です。

で、どうするの

フラット35は、35年間金利や元金返済額が変化しない住宅ローンです。昨今では約1%の金利です。これ以外にも各金融機関が販売する住宅ローンはいろいろあります。親子ローンとか。中には50年の返済期間の住宅ローンも存在します。

いずれにせよ、年収だけではなく生活コストも含めて住宅ローンを選定することをお勧めます。

まとめ

先日、フラット35の借入条件を調べてみました。な、なんと直近4ヶ月の収入があれば借り入れ条件は満たしているのです。

ま、4ヶ月というのが微妙ですけれども。しかし現実は住宅ローン審査に落ちた場合の理由は教えてくれません。

また、概算で計算する場合ですが、だいたい年収400万円を超えるとざっくりフラット35では年収の10倍まで融資出来ます。

ということは、年収500万円であれば5000万円。年収700万円であれば7000万円。実際今後35年間も年収は上がらないにしても生活コストはどうなるのかを再考することが住宅ローンのリスクヘッジになるように思います。

また年収700万円前後ぐらいから今度は年収に対しての所得税の負担が多くなります。

各種行政が行っている支援制度があります。例えば高校無償化とか言われる高校生などの就学支援金です。これらがあるから、教育費は必要ないなんて認識してたら大きく予定が狂います。

支援金の多くは年収の上限を設けています。これらに該当するのがだいたい年収700万円前後です。つまり当てにしていた支援金を受けることが出来なくなる可能性があります。

一昔前に比べて住宅ローンは借りやすくなっている感じがします。生活コストの再考をして、借入額を決めるのが善手だと思います。